「え、守里浮世絵中に行くの?」
『うん。家の事情でね』
「そっかー、寂しくなるなぁ…。でもほんと急だねぇ」
『そ、それは…』
今日は週末。
学校はさっき終わったばかり。
今はもう下校で、友達と最後の別れをしている所だ。
『ご、ごめんね雅ちゃん』
「まぁ、親友の私に早く言ってくれなかったのは傷付いたけど、また会えるんだしね」
『うん。他県じゃないからまたいつでも会えるよ』
そう言うと、雅ちゃんは笑いながら、また遊びに行く、と言って鞄に筆箱を詰め込んだ。
冷たいとか、すんなりしてる、なんて思うかもしれないけど、仕方ないのだ。
また会えるんだから。
「守里ー。そろそろ帰るよー」
『ま、待って!光ちゃん!』
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