「守里ちゃーん」
『はーい』
式神の紙を数枚とクナイを一本持って玄関に向かった。
フェリシーはソファで寝てたから今日は放っておこう。
「あ、守里!」
『こんばんはー』
「へー可愛い格好」
『お父さんに、格好だけでも女の子らしくって言われてて…』
家が家だから、と言う言葉は心の中で呟いた。
「怖いの苦手なんじゃ…」
「う…うるさいな〜。いいでしょ!?」
いつのまにか仲良く隣で揉めているリクオくんとカナちゃんから離れて、周りに妖がいないか見渡す。
『でもどうしよう…もし妖なんかが出て術を使わなきゃならなくなったら…』
霊感のない人には見えないけど、もしかしたらこの中には霊感のある人がいるかもしれないし…。
遠目でだんだんと集まってきたメンバーを見る。
「守里ー、行くよー!」
『あ、はーい!!』
危ない危ない、自分の世界に入っちゃってたみたいだ。
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