「っで!どっちにするんですか?!」
「いやー私はやっぱ秋山のがいいんじゃないかなっと!」
「私も秋山さんですけど、横谷さんだって簡単に五千万手放しましたよ?!あの横谷さんが!それだけ本気で好きなんです、素敵じゃないですか〜!」

きゃっきゃと話す二人に頭を抱える。私、どうなるんだろう…。
ヒロミさんはタバコをふかしながら若いっていいねぇ〜!とかいうし(大して年は変わらない気がするんだけどなー)、直ちゃんは目をキラキラさせたまま、いいなぁ〜とか言ってる。
いや、直ちゃんはいいなぁ〜、じゃないって!秋山さんの恋人なんだからそれはダメなんじゃないの?

「直ちゃん、秋山さんの恋人ならもっと注意しなきゃだめじゃないの?」
「…はぁ?」
「な、何言ってるんですか…?私、秋山さんの彼女じゃないですよ?」
「いやいやいや…じゃなかったら敗者復活に助けに来たりしないって!ねぇ、ヒロミさん?」
「あ、あんた…秋山が本気で直ちゃん好きだって信じてるわけ?」
「え、えっ?」
「この、鈍感女!秋山は確かに直ちゃん助けに来たりしたけど、この二人はプライベートで一回も出かけてないの!おまけに、あの秋山が休日に呼び出したんだよ?!あんたは秋山にとってかーなーり!特別なの!」
「そうですよ!あの秋山さんがあんなに嬉しそうにするの、あなたの前だけですよ?それに、とっても可愛いですもん!自信持ちましょうよー!」
「いやいやいや!!!二人とも遊びだって、絶対…」
「「遊びだったらキスしない!!」」

声を揃えて迫る二人にびっくりして紅茶をこぼした。こ、怖い…。
ヒロミさんがため息をついて火の国の休憩室へと目を向ける。つられて視線を移すと、横谷さんがとても優雅に紅茶を飲んでいた。おぉ、絵になる。

「けどまー、あんたとお似合いなのはやっぱ横谷かねぇ…」
「確かに横谷さんは優雅だし、物腰は柔らかいし、一途ですよね〜」
「…確かに、横谷さんは素敵だね」
「お、お?!秋山ピンチ?!」
「横谷さん派なんですか?!秋山さん頑張らないとー!」

きゃっきゃと再び話し出す二人に反抗する気も失せて机に伏した。二人に何をいっても無駄だし…。
なんとなく見た先には秋山さんが足を組んだまたソファに深く座っていた。眉間に皺を寄せている。…待って、この距離全部丸聞こえじゃないの?視線を慌てて火の国に移すと横谷さんがすっごく嬉しそうに笑っていて、思わず赤くなる。横谷さんはちょっと意外なくらい優しく笑う。その顔は嘘つきとは程遠いもので、ちょっとびっくりした。

「…まぁ、ゲームはまだこれからだ」

何時の間にか後ろに立っていた秋山さんがぽんっと私の頭に手を置いて、不敵に笑う。横谷さんは涼しい顔でそれを受け止めるように頷いた。ヒロミさんと直ちゃんがまたかーっと赤くなる。…こんな疲れる女子会も初めてだ。




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