3,ゲーム本編への突入




「うわっ!?ここどこ!?」

とは言ったものの、次に目覚める時はセブンスヘブンだとフェンリルが言っていたので、セブンスヘブンなのだろう。

というか、クラウド、ティファの幼馴染!?
しかも女の元ソルジャークラス1st!?
ザックスどうなったん!?
といろいろつっこみたかった。

「・・・とりあえず、今どこらへんのシーンなのか確かめなければね」

ベッドから降りて、部屋を出る。

多分こっちかな・・・と不安に思いながらも、表へ向かう。

「ハノン!?」

この声は・・・ティファ!?
ACで聞いた声と同じ声だから、絶対そうだと思い、顔を上げる。

「・・・ティファ」

「体は大丈夫なの!?」

体・・・?
いや、一体今まで私の身に何があったんですか!?

「ハノン!目を覚ましたんだな」

「あ、クラウド!」

「あ、じゃないだろ」

あれ?クラウド、思ってたよりも、なんか態度が柔らかい・・・?
え、これ物語の序盤だよね?
・・・本当に小さい頃からずっと一緒にいたから、なのか?

いつの間にか私の記憶に、クラウドやティファと過ごしていた時や、神羅に行ってから今までのことが刻まれていた。

・・・小さい頃のクラウドとティファ、可愛いなぁ・・・。

でも、前の世界のことも全て覚えているし、この物語の未来のことまで覚えている。

・・・クリスタル、恐るべし。

「あー、そういえば任務達成してここに向かう時に疲れて倒れたんだっけ?」

おい、元ソルジャーだろ自分。
情けない・・・と思いながら、クラウドに聞く。

「あぁ、何事かと思った」

あれ、クラウドは大丈夫だったの?
ふんぬって私のこと持ち上げて来たのか・・・。
いや、別にふんぬって言ってなくていいけど。

「これ、ハノンに」

「これって・・・」

「別行動していたときに・・・」

クラウドから差し出された花。
これはエアリスから買ったもの。

私がもらっていいのか・・・?
悩んだ結果、クラウドの気持ちを無下にすることはできないので受け取った。

「ありがと、クラウド!おかげで元気でたよ」

・・・まぁ、もとから元気だが。

クラウドに笑顔を向けると、クラウドも微笑んだ。

・・・微笑んだ!?

(え、フェンリル!?どういうこと!?クラウドどうしたん!?)

《クラウドにとって、お前が言う黒歴史である幼少期に、他人の目を気にせずに連れ回して遊んだりしていたからな。お前はより特別な存在なのだろう。しかも、お前との記憶は正確なものを覚えているからな》

あー、まぁ、確かに私はそんな性格だからなぁ・・・。

って、特別な存在!?
しかも正確な私との記憶を覚えてる!?

・・・深く、考えないようにしよう。

「どうした?」

「・・・ナンデモナイッス」

「ハノン、すぐに無理するから心配なのよ。私、小さい頃ハノンが私のヒーローになってくれるって言った時嬉しかったの。でも、そのヒーローがいなくなったらって考えたくないから・・・」

・・・うん、そんなことあったね。
あったようだね。
FF13のスノウみたいな発言してんな、私って思ったよ。

「大丈夫だよ、ティファ!死なないようには気をつけているから!」

「いや・・・うん、そうね・・・」

あ、これ、的外れなこと言ったわ自分。

ちょ、クラウドさん、そんな呆れたような顔をしないで!

「あ、ええと、任務はどうなったの?」

「・・・任務というか、依頼な。条件付きで続行することになった」

・・・知ってます。

そんなこんなで本編に突入していたらしい。

「・・・これから長い旅になるね」

いよいよ、か。

「大事なもの、忘れてるわよ!」

ティファがこちらに差し出したのは、1冊の本だった。

・・・これ、大事なもの?

《その本から武器を喚び出すんだ。剣、銃、槍・・・多種多様な武器を喚び出せる》

ちょっと違うけど、FF15のノクトみたいだね!?

「ありがと、ティファ。これないと何にも出来ないもんね」

私の手が触れた瞬間、その本は消えた。

どうやら普段は実体化せず、体内?かどこかに隠されるようだ。

「バレットは?」

「外にいる。行けるか?」

「うん、大丈夫!さて、行きますか」

さて、ハッピーエンドへと導きますかね!

おしっ!と気合を入れて、1歩前に踏み出した。





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