「俺とハルカって親が逆だったらよかったのにな。そしたら俺は環境も整っていて小さい頃からしたいことができてたし、今みたいに親を説得することに苦労することもなかった。博士とだったら俺も仲良くできてたよ。親父はバトルばっかで俺の相手なんかしないし、ジムリーダーなんてやってるから俺には枷にしかならなくて仲が悪い。けど、ハルカだったらジムリーダーの父親ともうまくやっていけそうだし……それにバトル好きなんだしさ、小さい頃から訓練してもらえて今より強くなってたかもしれないだろ?うちの母親も仕事がコンテスト関係だから、ハルカにピッタリだと思うんだよ。俺もハルカも目指すものを最初から目指せてたんじゃないか?」

「そうだね。それだったら私もユウキくんも小さい頃から好きなことに取り組めてただろうね。でも、それだと私は今みたいにたくさんのポケモンたちと関われてなかったかもしれない。自分の手持ちだけで、今みたいにポケモンに会うためだけにいろんなところに行くこともなかったんじゃないかな?それはちょっと嫌だよ。それに、ユウキくんだってチャンピオンになることはなかった。それ以前に旅に出ることもなかったかもしれない。そしたら、ジムリーダーのみんなやダイゴさんにミツルくん、もしかしたら私とも出会うことがなかったかもしれないじゃない?だから私は今が一番いいと思うよ」

「そうか?」
「そうだよ」
「そうか…」
「…………」
「そうだな」
「でしょ?」
「ああ、今が一番いいのかもな」


(やっぱり君には敵わない)



091226


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