忘れ物 武市
「皆さん、いってらっしゃい!お気をつけて!」
武市さんは今日も大切な会合があると言って土佐藩邸に出掛けて行った。以蔵は武市さんについて行っちゃったし、龍馬さんと慎ちゃんも大切な用事があるとかでいないし…暇だからみんなのお部屋を掃除しちゃおう!
武市さんの部屋に箒と雑巾を持って入り、たすき掛けをしていたら後ろから声を掛けられた
「こんな所に居たのか」
「武市さん!忘れ物ですか?」
すみません、すぐ退きます。と言うあたしの目の前まで来てあたしの腰に腕を回しちゅっという音を立ててゆっくり唇を重ねた。
「そう、忘れ物」
武市さんは唇を話すと意地悪そうに微笑んで、顎をクイと上げたままあたしの唇を指でなぞった。腰に腕を回されたままなので逃げるにも逃げる事ができない。
「な…っ」
「今日の乾との会合もこれで頑張れそうだ」
もう一度触れるだけの口付けをして、武市さんはふっと笑って、掃除ありがとうと言って部屋を出て行った
忘れ物
(君は何よりも僕の力になる)