空との区別がつかないほどの真っ青な海。
その先に感じずにはいられないおまんの命を、ワシはどう受け止めればいい?
どこまで行けば、おまんにもう一度会える?
「風が強いのう、中岡。」
「そうっスね。」
「ワシもこのまま遠くまで飛んで行けんかのう。」
詩を愛した事を後悔はしていない。しているとしたらそれは、未来へ帰す事に後悔をしないと思っていたあの時の自分に。
退屈を弄ぶ神は、こんなワシを見て暇を潰しているのだろうか。
「龍馬さん、姉さんの事…。」
「ん…すまんな。」
こんなに情けないワシを見ても、それでもついて来てくれる中岡にこんな顔をさせてはならん。
「いいえ。姉さんはおれにとっても皆にとっても大切な人なんで。」
「だがもう会えんのじゃ。」
そう心に言い聞かせても「いつかまた会えるよ。」と、誰からでもいい、そう言って欲しいのかもしれない。
「…そうだ、龍馬さん。姉さんに文を書いたらどうですか?」
「文?書いても送る事は叶わんきに。」
「海に流すんっス。」
「海に…?」
「龍馬さんの海は、ずっと変わらずに有り続けてくれると思うんです。だからきっと姉さんに届きます。」
その中岡の言葉を聞いて、ふと気付けばワシは筆を握っていた。
だがいざ書こうとすると何を書いたらいいのか分からないもので。
詩と過ごした日々を思い出してみる。
縁側で二人で団子を食べた。おいしいねと言った。危険な目にあった。ごめんなさいと言った。明け方の海を見ていた。綺麗だなと言った。
眩しい笑顔で、「大好き」と言った。
さぁ筆を動かせ。
戻って来て欲しい?そばに居たい?愛してる?
…いや、やはりこれで十分だ。
びぃどろの筒の中に文と祈りを込める。
海よ、どうか一言だけ、一言だけでいい。連れて行ってくれないか。
「詩、ワシは元気でやっちょるよ。」
150年先の、愛しい人へ。
おわり*
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ハンター詩へ相互記念として贈らせていただきます!!
相互なんだからもっとこう…パァッと明るいラブラブな感じにすればよかったかな(゚o゚;)ちょっと切ない龍馬さんも書いてみたかったの!!ごめんハンター!!
うん、龍馬さんが主役なのに慎ちゃんのが目立ってる感じがするのは気のせいですからね?(^^)
詩さんこれからもよろしくお願いしますね☆
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150年後にラブレターを送る…なんて素晴らしい発想なんだ、秘書ーー!ありがとうございます、萌えました、龍馬さん…!切ないの大歓迎ですよ…!なんせ切ない晋作中心のサイト管理人ハンター詩ですからね!(笑)これからもよろしくお願いします(^O^)
半兵衛さんのサイト
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