Clap


「寒くない?」

「はい」

「寂しくない?」

「大丈夫です」

「…暇じゃない?」

「ふふっ、大丈夫ですよ」



事ある毎に君に話しかけて、何かきっかけを探そうとするけどいつも上手くいかない。


抱きしめたい

触れたい

口付けたい


そうだ、君には遠回しな言い方など伝わらない。分かっている、はっきり言えば早い。ただそれだけの事なのに。

君の笑顔が見られればそれだけで満足してしまう。



「武市さん?」



今日も見つけた、僕を笑顔で見上げる君を。



「今日は1日僕と一緒に居てくれないか?」



君とならゆっくりでも良い、一緒に居られるだけでも良いか…、なんて思ってしまう。まったく不思議な女子だ。

はい、と頷いてくれた君の頭を撫でると不思議そうに首をかしげる。そんな君の手を引いて、今日はどこに行こうか。何を見せてあげようか。そんな風に少しわくわくしている自分に思わずふっと笑ってしまった。



「どうしたんですか?」

「いや、何でもない。行こうか」



すっと手を差し伸べると少し戸惑いながらもやっぱり君は笑顔で手を握り替えしてくれる。ああ、この手を引っ張って僕の腕の中に…



捕まえた
(僕の世界は君が中心だ)



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