夢を見た。
シズちゃんが俺を殺そうとしていた。俺もシズちゃんを殺そうとしていた。
シズちゃんの持った標識が思い切り振りあげられて、俺の頭を目指して落とされる。
間に見えたのは照らされた金色、落ちたサングラス、青い空。
シズちゃんの眼は、殺気であふれていた。


「おはよーシズちゃんっ」
「うわ、臨也か、お前いきなり飛び付くのやめろよ…」
「え?シズちゃんだったら倒れないでしょ?」
「心臓に悪い」
「あはっ」
「あはってな、お前…」
「ねぇシズちゃん」
「あ?」
「今日ね、こわい夢みた」
「へえ」
「こわいっていうかね、変な夢みた」
「ふうん」
「…ここは、どんな?、って聞くところじゃない?」
「どんな?」
「……。ま、いいや、なんでもない」
「おいお前ここまできてそれはねーだろ」
「あ、気になってるんだ」
「……」
「あのね」
「ああ」
「俺たちがね、喧嘩というか、殺し合いしてるの」
「…?」
「俺はシズちゃんが死ぬほど嫌いで、シズちゃんも俺のこと死ぬほど嫌いでね」
「…ああ」
「シズちゃんは持ち前の力で、俺はナイフで殺しあうんだ」
「なんだそれ…」
「で、シズちゃんが俺に向かって標識で殴ろうとするの」
「…それ、あたったら死ぬんじゃねえの?」
「うん、多分死ぬよね、シズちゃんの力なら」
「大丈夫だったのか?その、夢では」
「わかんない、そこで目が覚めた」
「へえ…」
「ね、変な夢でしょ」
「嫌な夢だな」
「うん……起きた時、ちょっと怖かった」

「 也 臨也 起 て」

「馬鹿、そりゃ夢の話だろ、こっちはそんなことあり得ねえんだから」
「わかってる、わかってるよ。だけど、本当にすごくリアルで怖かったんだ」
「………」

「生きて んだ ま 間に合 …」

「でももう大丈夫、シズちゃんと話したら落ち着いた」
「…そりゃよかった」
「うん、ありがと」





ガチャ。

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