「何が不安ですか?」

いつもと同じ、自信ありげな顔で笑うのは梓君。
何がってそれは、梓君がかっこ良くて困るから、側に居られないことが不安なんですよって、私の気持ちわかってくれるかな。でも、うん、醜い。

二人座りのラブソファーが梓君が私の方に向いて向き直したことでぎしりと鳴いた。
正面を向いたままの私の肩を持ち、向かい合わせたあと、そのまま梓君の両手は私の首の後ろで固定されて動けない状態になる。

「先輩?」

目を見たら溢れそう。
吐露してしまいたい見られたくない不安な思い。でも、綺麗に強く在り続けたいとも同時に思うことで、送るべき伝える言葉が上手く出てこない。

「どうしたんですか?ほら、言ってください?」

距離0メートル。おでことおでこがこコツンとぶつかった。
やさしいやさしい声。
すべてを許そう、すべてを受けれよう、両手を広げて待つ貴方が求めるのは、私の言葉ただ一つ。

寂しいとか愛おしいとかどこにも行かないで欲しいとか自分だけ見てて欲しいとかもっともっと甘やかして欲しいとかぎゅーっとしたいとかあなたの一部になりたいとかそんないろんなことがぐっちゃになって、でもすべての本質はやっぱりとても簡単でシンプルな一言だけ。

「好き・・・梓くんが、すきなの。」

ぶわぁと全部が混ざって蕩けた気持ち。
ぽろりぽろり堰を切ってあふれる涙。
良く出来ましたと囁いて瞳にキスをしてくれた。


願いであって祈りではない


どうか、わたしをあなたのものにしてください。



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2012/4/18




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