何かがおかしい。

何がって、おなじみの、粟田・柑子・柿野・橘4人プラスαと居る分には
上限なく必然的に上がるテンションが、一向に上がらない。いや、むしろ右肩下がりと言ってもいい。

健全な一男子として、可愛い女の子を見てるのは嫌じゃないし、普通に女の子は可愛いと思う。
けど、あまりにも着飾って、正体不明になるくらい濃い化粧の女の子は引いてしまう。
健全な一男子として、いいにおいのする女の子は、ついて行きたくなる。
ただ香水は、ちょっと辛い。

表裏一体を持ち合わせてるのが女の子という生体だと、知る。

今ままでの高校時代を考えれば、合コンという女の子と一緒に酒を飲める環境なんて天国に違いないのに、
恐れ多くも俺の耳はその黄色い声が耳障りに聞こえて、不快感を煽る。

俺は男として何か不完全なのか、それともあっちの方向の人間だからこいつらと一緒に居るのが楽しいのか。
どちらも良い答えではないことは確かで、不安を払拭するためにも、俺はトライしなくてはいけない。
決して、言い訳だの、都合の口実だの、そういったことではない。断じて。

だけれども、春名の紹介も、度重なって空振りに終わると、さすがに俺もへこむ訳です。
なぜだ、俺のテンションはどこ行った。

「梨本君、なんか落ち込んでる?」

笑顔とも心配とも言えない、苦笑い的な表情でのぞいてきた夜久の顔は、今まで名前ももう覚えていない
女の子たちより、やっぱり綺麗なんだなって思った。
俺の女子サンプルはいつだって、夜久がベース。

だからって、なんだって話だけど・・・だよな?

「はぁー・・・・。お前の声、ちょうどいい。」

聞き慣れのせいか、夜久の音程は気持ちよく鼓膜を振るわす。



取り合えず解った事はひとつだけ



夜久の声はアルファー波がでているに違いない。



ーーー
2012/4/4




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