右手の人差し指と親指を立てて、そのまま腕を真っ直ぐ伸ばした。
俺はいまピストルを構えている。
狙う先はもちろん、何度もビームで撃ちまくった背中だ。
「おっと」
気配に気付いたバネさんが、左手で俺の右手首を掴んだ。
「懲りねーなあ、お前」
残念。
今日も失敗だ。
「まだ早えよ」
バネさんは笑う。
「もう少し」
困ったようで、照れたように笑う。
「待っててくれるか」
掴んだ手首が、微かに震え始めていた。
「うぃ」
ピストルじゃ弾数が少ないから駄目だ。
今度は散弾銃でも用意しよう。
背中を狙うのにも飽きた。
次は正面からの真っ向勝負だ。
第2ラウンドと行きましょうか。
バネさん、
撃ち抜かれる覚悟を、よろしく。