ケーキを食べましょう。二人でケーキを食べましょう。お花のついたフォークがきらり。今日の紅茶はダージリン。砂糖を一つ入れ、ミルクをたらりと落としてあげる。

箱の中には二つのケーキ。ショートケーキとチョコケーキ。私はチョコで、あなたはショート。フォークを刺して真っ二つ。ほらほら半分こしましょうよ。

口のまわりにクリームがべとり、べとり。あらまあみっともない。子どもじゃあるまいし。どうしていつもそうやって、上手に食べられないの?
あなたは昔からそうだった。私が助けてあげないと、いつでも失敗してばかり。
ぺろり、ぺろり。仕方ないから私が舐めてあげましょう。

「家康、子どもみたい」
「私がいないと、何も出来ないのな」

愛おしい。なんて愛おしいの。
綺麗にしてあげたから、今度は私のケーキをあげるわ。さあさ口を開けなさい。開けなさい。

「自分で口を開ける事も出来ないの?」
「まったく、仕方ない」

本当に、一人じゃ何も出来ない子。私の可愛い可愛い恋人。
ぐちゃり。また口のまわりがクリームだらけ。大丈夫。私が舐めてあげるから。綺麗に綺麗にしてあげるから。

「家康、美味しい?」

もう随分家康の声を聞いていないのだけど、いつになったら返事をしてくれるのかしら。
だから私は明日も、あなたの為にケーキを買うわ。あなたが返事をくれるまで。ずっとずっとずっと。



エンドレスケーキ




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