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「壁ドンって何、と聞いたら」
case:四天宝寺


case1:一氏君

「は?かべどんぶりの略以外に何があんねん。」

「かべ、どんぶり?なん、それ。」

「かべっちゅーたら豆腐や、豆腐。だし醤油で煮た豆腐に卵を回し入れてふわっとさせて、仕上げに大葉を刻んで入れたんをご飯にのせる。これがかべどんぶり、いわゆる、かべどんや。」

「なんやそれ、ごっつうまそうやんけ!」


case2:白石

「ああ、俺もたまに友香里にされるわ。」

「へー、友香里ちゃんって料理するんやな!」

「ん、料理?今壁ドンの話やんな?」

「おん、壁ドンってかべどんぶりの略なんやろ?」

「は?ちゃうちゃう、壁ドンっちゅーのはな、隣の部屋がめっちゃうるさかった時とかにドンッて壁叩いて、さりげなく苦情を伝えることを言うんやで。」

「へえ、うるさい時の苦情か、…ってことはどんだけ自室でうるさいねん、アンタは。静かにしたりーや。」

「カブリエルと語り合うんに手ぇ抜いて静かになんてできるわけないやろ!」

「え、なんで、私怒られてんの。」


case3:金ちゃん

「あー、わい、知ってんで!」

「ほんま?金ちゃんはえらいなー。教えてやー。」

「おん、見とき!ふんっぎぃ!」

ドガッ

「ひぃ!き、金ちゃん?」

「壁叩いたらドンッて鳴るやろ?このことや!」

「いや、今のんはドンッなんて可愛らしい音やなかったで!しかもなんで顔の横スレスレの壁殴るん!びっくりするわ!」

「うー、かんにん。耳に近いとこの壁叩いた方がよく音聞こえると思ってんけど…。」

「わー、大丈夫やで!金ちゃんのおかげで壁ドンよぉわかったから、おおきに!な、せやからそんなシュンとせんと

「ほんまか!役に立てて嬉しいわ!」

「もう金ちゃんの笑顔は天使やな。(コンクリの壁あんな強く叩いてなんで拳痛くないんかとかは気にせんとこ)」


case4:銀さん

「んー、誰やろうな?」

「え、誰ってことは、人なん、壁ドン。」

「どんっちゅーのは、親しみをこめた敬称のことやで。」

「銀どん、みたいなこと?」

「せやな。ちょっと語呂悪いけどな。」

「銀どん、銀どん!…うーん、銀どんも響きかわええけど、やっぱ、銀は、『銀』がしっくりくるわ!」

「はは、せやな。」


case5:財前君

「先輩はなんやと思いますか?」

「え?んー、料理か、苦情か、壁殴った音か、人の呼び名のどれかなんやろ?難しいなー。」

「…は?」

「は、ってなんよ。一氏たちに聞いたらこんな答えやってんけど。」

「はあ、全く、相変わらず予想の範疇におさまらないボケをかます先輩らやわ。」

「え、あれ、ボケやったん?アカン!そうとは知らず、一切つっこんでへんかったわ!今から一人ずつつっこんでくる!」

「待ってや。」

「へ?」

「俺と話してんのに、どうしてそんなフラフラ他の奴のとこ行こうとするんすか。」

「え、ちょっと、財前?なんか距離近ない?」

「ずっと俺の側にいて、俺だけを見てたらええやないですか。」

「あ、あの、真顔でジリジリ寄ってこられたら怖いんやけど!ほら、飴ちゃんあげるから、な、なっ?」

「飴やなくて、こっちがええ。」

「こっちっ?は、はは、隠してたラムネに気づいとったとはお目が高いな!…って、もう後ろ壁やから!これ以下詰め寄られても後ろ下がれへんから!なあ、財前!ラムネあげるから、落ち着き!」

「落ち着くんは先輩の方やで。あと、俺が欲しいんはラムネやなくて、先輩。」

タンッ

「つーかまえた。」

「っ!」

「…っていうのが、俺の知ってる壁ドンです。」

「…。」

「(戸惑っとる、戸惑っとる。)」

「…、とりあえず、私のヒヤヒヤとドキドキを返せや!」

「はいはい、頭なでたるんで機嫌なおして下さい。」

「そんなのでごまかされるかー!きーっ!ふしゃー!ふしゃー!」

「(なんやねん、このかわええ威嚇。全くこわないし、顔真っ赤やし。アカン、かわええ。このまま抱きしめてもええやろか、うん、ええな。)」


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