■ モノクロの記憶

非王道/会長の末路

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馬鹿、自分はどうしようもなく馬鹿だ。

力が入らない拳。
唇を噛み締めた。



『唇、噛み締めんなよ。
お前の唇に傷がつく』


そう言って、俺に顔を上げさせてキスしたのに今では俺の傍にいない。俺に魅力が足りなかったからなのか。こんな性格だったからなのか。実は好きじゃなかったのか。答えを聞いても答は帰って来るはずが無かった。悔しい。何年も、何年も恋して、悩んで手に入れたこの関係は。脆くあっけなく崩れた。机に溜まった書類。毎日平均睡眠時間が一時間という記録を出し続けた体はもう限界をとうに超えていて。寝る事すら出来なくなった。書類をやらなきゃ、俺がしっかりしなきゃ。きっと戻ってくる。淡い期待を抱いて、抱き続けて。ーヶ月。もう、限界だった。辛かった。

今までは、アイツが支えてくれたから。出来ない事も精一杯頑張って成功させて。俺が認められた気がした。俺は完璧な人間じゃないんだ。こんなにも、弱いんだ。持っていた、書類。力が抜ける。ああ、ご飯食べたのいつだっけ。覚えてないや。書類ってこんなに重かったんだな。


ひらり、書類が舞う


俺の手の中から、書類が落ちた。


なんだか知らないが、久しぶりの眠気が来た。全てを奪っていくような、そんな感覚に似てた。

逆らうことをせず、瞼が閉じていく。.....しょるいためてあるのに。おれがやらなきゃ。


お、れが.......ゃ



___プツン






『お前、また書類溜めてんのかよ?
ほら、俺が手伝うから頑張れよ。
ん?眠たいってか?
じゃあ、俺と寝...
ってえ。蹴るな、スネいてぇよ
冗談だよ、じょーだん。ほらお休み』



モノクロの記憶


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