■ 逃亡者と捕獲人
裏/ヤンデレ/
ちゃー娘様のみお持ち帰り可
相互記念
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はぁ、っと息を切らした。アイツが追いかけてくる。逃げなきゃ逃げなきゃ。それしか、頭にない。
兎に角、ずっと遠くに、走らないと。動け、俺の足。
見上げると、首筋に黒い模様。禍々しいそれは、
「......は!っぁ、あ」
びとっとついた、汗。夏なのに寒い。上の歯と下の歯がガタガタと小さい音を鳴らす。鈍感な奴は気付いていないようで、安心した。
「おい、平坂。寝ているんじゃないぞ」
先生の声が聞こえる。目の前には眼鏡をかけて、頭に十円ハゲのある先生がいた。
「.....ハゲに、言われたくない」
ぼそっと、言うと笑いが広がった。自分も心に余裕が持てて、笑った。
授業が終わり、教科書を片付ける。勉強をあまりしていない俺は、ほぼ新品のままだ。黄ばんだシミとか、手のアカがついていない。それを、鞄の中に入れると、ふっと影がさした。
「.....お前が寝るなんて珍しい」
俺と一番中が良い、上田だった。
「上田....実は、その....」
しどろもどろになる。怖い夢をみた、なんて子供じゃあるまいし、言えないだろ。でも、上田は俺の一番の友達で、なんでも打ち明けられた。彼は、体が弱いというか心臓が弱いので、体育とかは見学。でも、ゲーセンとかで殆どゲームをしてもランキング1位とってるから嘘なんじゃないかと思った時もあった。聞いたところ、長時間が駄目なんだとか。
覚悟を決めて、そう言葉に出す。
「怖い夢を見た」
「.....へぇ、どんな?」
あまりにも真剣に聞いてくるから、ちょっといや、凄く驚いた。
「首筋に印のついた誰かに、追いかけられる夢」
「ふぅ、、ん .....そっか」
「聞いといてそれだけかよ?」
「うん、安心した」
「何でだよ」
ふざけて言ったのに、喉はカラカラだった。
「思い出してくれたんだ」
にっこり、普段より異様な雰囲気が漂う。周りを見渡すと誰もいなかった。一分前はいたはずなのに。二人きりの空間だった。
親友と思っていた彼が、俺の唇に手を這わせた。
「やっと捕まえた」
「 ..ッんんぁ、あ!あ、はっ.....っああ」
ずる、、ぐちゅぐちゅと卑屈な音が教室に響いた。思考もあやふやで、対面座位で俺は犯されていた。
「好き、ッあ、愛してる平坂」
「っ、ゃ.....駄目」
「嫌じゃ、ないだろ?俺のこと愛してるんだから」
言われた事を息も絶え絶えな俺が繰り返す。自分が何を言っているのかも分からなかった。
「ああ、っ!ぁ、あッ、っぅあい、....て、る」
「そーそ、っ、よくできました」
俺からの"愛してる"っていう言葉を聞けて嬉しくて色気がただ漏れている上田が
「記憶戻るの遅すぎ、ほら、俺達が愛し合っているっていう証」
俺のを扱いながら見せた首筋には。
逃亡者と捕獲人
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