いばら姫
痛みから、なんなのか恐怖して起き上がる。


ぽつり、と森の中一人目覚めた。また、殺させたかと自嘲し生活していると、どうやら俺には魔法が使えるということが分かった。

「....」

ここは、魔法使いが居る国だった。13人の魔法使いがいるから......あぁ、《いばら姫》の物語か。



親からも嫌われ、孤児扱いされた。仕方なく深い深い森の奥で一人で暮らしていて、食材が足りなくなったら町へ買い物にいった。

買い物へ行く度、誰かの魔法使いに会う。その度に軽い魔法をかけられる。痛い。嫌がらせされてた、肌は傷で沢山だ。



やっぱり嫌われてるし。俺が特別変な事をしたわけじゃない。さっきまでは。

パーティーをするぞ、とあいつ抜きで楽しもう。あいつがいると、空気が気持ち悪くなるしな。



何時もの悲しみがつもりに積もって、悪戯しようと思い、ある一人の魔法使いに初めて杖を振った。何を思ったかは覚えていない。イメージしたのは――闇。光が少しもない闇。

他の魔法使い達が、俺に向けて、俺を殺す呪文とその魔法使いに向かって俺の呪いを解除する為の呪文を唱える。

「.....が、はっ」


ずさ、と雷の槍が俺の身体に何本も何回も突き刺さる。

「ぐ、ぁ、ぃた」

痛い、痛い、

『――――』

次にかけられたのは、氷の呪文。ぱきぱきと、全てが固まっていく。


なんでだろ、冷たい筈なのに熱い。

いつ死んだかも分からずに、俺は凍え死んだ。

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