「お姉チャーン!わしと一杯どうじゃ?」



大声で笑いながら、通りかかった居酒屋の女店員に話しかける。



「ノーセンキューです」



営業スマイルでさらりと上手くかわされる。



「アッハッハ!!」


「毎回毎回何やってんだよ。学習能力ねぇな。つーか辰馬、お前あのでっかい笠かぶった部下は?」


「陸奥のことかが?陸奥は本命じゃき!」


「他所の女ナンパしといてよく言うぜ」


「金時も女の一人や二人いるろー?」


「金時じゃねーよ、銀時だ!…ん、まーな」


「ほー!やるのう!!」



久々の旧友との再開。

辰馬に誘われ、連れて来られた居酒屋で銀時は酒を楽しんでいた。











Special Thanks !
パーマの割合は    断然高いのです















酒もほど良い加減に入ったところで、辰馬が口を開く。



「陸奥ばちぃーっとも素直じゃなかー。でもまたそこが可愛いんじゃ」


「うちも。普段すんげー無愛想でさ。綺麗な面してんのによぉ」



酒が入っているせいか、平然なら話さないような話題に花を咲かす。



「幾松殿はあの凛とした雰囲気が何とも言えぬ」


「ヅラ!?」


「おー!ヅラかー久しぶりじゃのう!」


「ヅラじゃない、桂だ。すみませーん、お酒の追加お願いしまーす」



いつの間にやら小太郎が銀時の隣に座っており、酒瓶を掴むと残りを一気に飲み干した。










「それで金時はちゅーもしとらんと」


「何だよちゅーって。気色悪ぃ。なんつーかさぁ、女と付き合うなんて久々だしよ」


「フッ、貴様もわっぱだな」



小太郎も酔いが回ってきたのか、頬が紅くなっている。



「うっせーよ!てめぇこそどうなんだよ」


「俺は武士だ。清い交際をだな


「まだなんだな」


「………」


「そうじゃ!」



何かを閃いたらしく、ポンッ、と掌を拳で叩く。



「ぁんだよ?」


「競争じゃ!」



得意気に笑いながら、辰馬は一気に顔を二人に近づけた。



「誰が一番先におなごの唇ば奪うか」


「はぁ!?」



銀時は驚き半分、呆れ半分で声を上げる。

何を考えてるか分からない奴だとは思っていたが、ここまで来ると馬鹿らしい。



「なんでてめーらと競争すんだよ。つーかそもそも競うもんじゃねぇだろ」


「自信が無いのだな、銀時」


「んだと?」



ピクリと額に筋が走り、口元が引き吊る。

小太郎は懐からスッと何かを取り出す。

そこには大江戸遊園地と書かれていた。



「偶然にもここに六枚ある」


「大江戸遊園地?どうしたんだよそれ」


「バイト先で貰った」


「てめー攘夷浪士だろ!何、まだあそこで働いてんの!?」



思い出すのは女装をして、オカマバーで踊ったり接客をした日のこと。



「何事にも資金は必要だからな」


「それ前も聞いたからー!」


「どうだ辰馬」


「遊園地かーいいのう!」


「俺は反対だかんな!ぜってぇやんねー」



銀時が腕を組ながら首を反らし、頑なに拒否する態度をとると、小太郎がため息を吐く。



「嘗ては白夜叉と恐れられた貴様でも、
おなごの前では只の男か」



ピキ、



「見損なったぞ。銀時」



ピキピキッ、



銀時の額に更に筋が走る。



「言ってくれるじゃねーの」



ふらつきながら立ち上がると、テーブルの上に置かれたチケットを勢い良く指差す。



「上等だ!」



















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