好き、大好き、愛してる。


毎日毎日繰り返され、いい加減耳にタコが出来そうだ。



「どーすれば陸奥はわしを好きになってくれるろー?」



この男は全く分かっていない。


だから言ってやったのだ。



「…わしの好きな花、この船一面いっぱいに咲かせたらな」




















Special Thanks!
わたしは貴方だけを見つめている

















「よう集まってくれたのー!」



陸奥があの宣言をした次の日。


数人の船員を連れてある星で陸奥は取引を行っており、快援隊の船内には居なかった。


辰馬は船内に残っている船員に集合をかけ、壇上に立つ。



「誰か陸奥の好きな花知らなか?」

「「花?」」



辰馬の言葉に周囲はざわめき始める。



「坂本さん、なんで花なんですか?」



一人が手を上げて質問すると、辰馬は口を開け何時もの調子で笑う。



「陸奥がのー船いっぱいに花ば咲かせたら、わしのこと好きになってくれるちゅーたきに!」



何か深い理由があるかと思えば。


船員達は一斉にガックリと肩を落とした。



「にしても陸奥さんがそがなこと言ったなんて…なんだか意外ですね」

「イメージでは紫陽花っぽいです」

「凛とした花が似合うとると思います」



それでも土佐弁で口々に意見を出していく。



「陸奥から直接聞いたことある奴はおらんか?」



辰馬が見回すと、次々に首を横に振る。


誰一人として陸奥の好きな花を知らなかった。


そもそも陸奥と一番いる時間が長く、共に行動しているのは辰馬なのだ。


彼が知らなければ、他が知らないのも当然だった。



「坂本さん、直接陸奥さんに聞いたらどうですか?」


「それが恥ずかしがって教えてくれんちや」



『誰が自分の出した条件のために教えるかクソモジャモジャが!!』



昨夜の銃声と地響きはこのせいだったのか。


船員達は無言のうちに理解した。



「んー、どうすれば良いかのう」



首を捻り、辰馬が考えるような素振りをすると、あっと一人の船員が声を上げる。



「万事屋さんとこに行ってみるっちゅーのはどうですか?」

「万事屋?」

「坂田さんとこです。前に陸奥さん行っとりましたよ」



辰馬の口角がにやりと人知れず上がった。






















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