大「壱哉、ごめんな。重くねぇ?」
壱「気にするなって。重くないよ。寧ろ背負ってるの忘れるぐらい軽い」
大「それはそれで複雑だな…早く成長期来ないかな」
壱「大樹はこのままで良いよ」
大「何でだよーっ」
雅「……おい、お前ら何してるんだ?」
春「何故壱哉が大樹を背負っているんです?」
壱「ああ、それは…」
雅「大樹、さっさと降りろ!」
大「いってーっ!」
雅「あ?」
壱「雅臣っ、そっちの足首掴んじゃ駄目だ!今日捻ったんだよ。体育のバスケの時にボールを避けて」
雅「はぁ?何勝手に怪我してんだ」
春「運動神経だけが取り柄のくせにそれぐらい避けられなかったんですか?」
大「それは、その…えーと」
壱「バスケの時にボールを避けて、着地に失敗して捻ったんだよ」
大「あっ、言うなって!」
雅「鈍臭ぇ」
春「運動神経が良くてもそれでは意味ありませんね」
大「うう…」
雅「つかいつまでくっついてんだ。離れろ!」
大「あだだだだだ!だからそっちの足首引っ張るなって!」
春「壱哉も大樹を甘やかしすぎです。その程度ならわざわざ背負わなくても支えてさえいれば良いでしょう?」
大「いででででっ!」
春「何が痛いんです?捻った足首は反対の筈ですが」
大「怪我してなくてもそんな力一杯引っ張られたら痛いって!」
壱「二人とも止めろって!大樹は怪我人だぞ!俺には無事大樹を送る義務があるんだ」
大「かっ、壱哉ぁっ」
雅「おい、次また捻挫なんかしたら着地の失敗ぐらいで捻挫しねぇように鍛えてやるからな」
春「取り敢えず壱哉、降ろしなさい。見ていて不快です」
大「おっ、お前らっ、怪我人を労れよーっ」
壱「(折角大樹と密着してるんだから家に送るまで降ろしたくないっ)」
雅「(鈍臭ぇとこも可愛いけど勝手に怪我してんじゃねぇよ)」
春「(怪我した足首を掴んで引き摺り降ろすのも楽しそうですね)」
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