1月6日[ケーキの日] | ナノ
 



兎「おい」

狼「な、何だよ」

兎「……ん」

狼「この箱くれんのか?…えっ!?これって!」

兎「いらねぇなら返せ」

狼「いる!いります!うわぁ…すっげぇ…美味そうなケーキがいっぱい…これは夢か!」

兎「んなわけねぇだろ」

狼「いでっ!蹴るなよっ。つかこれどうしたんだ?」

兎「今回の生徒会の茶会用ケーキが発注ミスで大量にきちまったんだよ。その余りだ」

狼「……生徒会って頻繁にお茶会してんのか?」

兎「あ゙ぁ?文句あんのか?」

狼「滅相もございません!」

兎「茶用意しといてやるからさっさと食え。もう甘い匂いは嗅ぎたくねぇんだよ」

狼「お、おうっ。いただきまーす!まずは…よし、タルトから食うか」

兎「…美味いか?」

狼「おうっ!すっげぇ美味ぇ!流石生徒会だな、こんな上等なケーキを気軽にお茶会で…!」

兎「さっさと食え」

狼「お、おうっ。次はショートケーキ食ってそれからモンブラン…いやトルテも…おっ、ニューヨークチーズケーキもある!レアチーズもベイクドチーズケーキも良いけどやっぱこれだよな」

兎「テメェ…何でそんなに詳しいんだよ。全部同じじゃねぇか」

狼「違う!どこが同じなんだよ!どこをどう見ても全然違うじゃねぇか!」

兎「……」

狼「(しまった!つい声を上げちまった…!)」

兎「分かったからさっさと食え」

狼「(怒られなくて良かった!)」

兎「おい、紅茶」

狼「有り難う」

兎「……」

狼「な、なぁ、ずっと見てんのか?」

兎「ああ。テメェが食い終わるまでな」

狼「見張らなくてもちゃんと食うって。あっち行ってても良いぞ?」

兎「何だ?俺が見てても別に良いだろーが!何か文句あっか!?」

狼「ひぃっ!違っ、甘い匂いが苦手っつってたからっ」

兎「問題ねぇ」

狼「(さっき匂い嗅ぎたくないから食えっつったのに)」

兎「さっさと食え」

狼「おう…美味ぇっ」

兎「(ケーキ食ってる時、幸せそうだよな…発注ミスして良かった)」



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