「なぁなぁ、自分の初恋っていつ?」
「は?何いきなり」
「ちょっと気になってん。なぁなぁいつー?」
「人に聞く前にまずはお前が答えろ」
「俺?」
「ああ。まさかまだとかか?」
「そんなわけないやーん。健全な男子高生なら初恋どころか初エッチまで終わってるって」
「……それは健全と言っていいのか?」
「細かい事は気にしたらあかんで。えー、初恋なぁ。俺は小学校3年やわ。クラスで1番可愛い子!」
「お前は昔から顔が良い奴が好きなのか」
「そうやでー。やっぱ綺麗な子とか可愛い子とかのがえぇやん?色々と」
「なかなか最低な事を言ってるぞ」
「だってほんまやもん。でもなぁ、最近は綺麗とか可愛いとかやないなって思ってん」
「何でだ?」
「やっぱ顔とか体の相性とかが良くても気ぃ合わんかったらおもろないわ。疲れるだけや」
「人間は中身と言うからな」
「ほーう。なら自分の初恋の相手は中身えぇの?」
「……あまり良くない気がする」
「何やそれーっ。じゃあ顔は?」
「………良い」
「結局俺と一緒やんかー!」
「たまたまだ!」
「ふーん。まさか俺やったりしてー」
「それは遠回しに自分は顔が良いと言ってるのか?」
「うん。ほら俺ってモテるし?」
「自分で言うな」
「あ、チャイム鳴ってもうた。お昼は購買にパン買いに行こな?」
「分かった。早く席に戻れ」
一瞬、俺の気持ちがバレたのかと思った。
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