「おい、どのぬいぐるみにするか決まったか?さっさとしろよ」
「ちょっと待て!今人生最大で究極な選択の真っ最中なんだ!」
「そうかよ。迷ってんなら両方買えば良いだろ」
「買うんじゃない。お招きするんだ」
「……あっそ」
「それにこのどちらかを迷うこの幸福感が最高なんだよ」
「そういうもんか?」
「おうよ!……よし、この子にしよう!」
「やっと決めたか…って結局テディベアかよ!うさぎはどうしたっ!」
「この子が良い」
「そんなに気に入ったのか?」
「ああ。お前に似てるからな」
「…似てるか?」
「まずこの目付きが悪い黒の瞳だろ」
「俺は切れ長っつーんだよ」
「それにこのクリームがかった体なんてそっくりじゃねぇか!」
「体じゃなくて髪な。そこんとこ間違えるな」
「一生大切にする」
「……おう。んじゃさっさと会計済ませるぞ。早くお迎えしたいんだろ?」
「ああ。まずは家に帰って水色基調のストライプのリボンを巻いて真ん中にブローチを…そうだ、名前はハンサムにするか」
「待てそれだけは止めろ」
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