「えーと、君は、誰だって?」
「あぁ?だから俺様は天使だっつってんだろーが。その頭は空っぽか?」
「っ!嘘だっ!てっ、天使って優しくて慈悲深いんじゃないのっ!?こんな傍若無人で偉そうな奴が天使なわけないっ」
「それはテメェら人間の勝手な理想を具現化させた姿だろ。天使とか神の方が人間よりよっぽど気まぐれで自分勝手な欲深い生きもんなんだよ」
「うう…」
「あー…ちょっとテメェんとこに住むわ俺」
「いきなり何っ!?嫌だよっ!天使なら羽根広げて飛んで帰りなよっ」
「無理」
「何でっ」
「今天界で命を狙われてんだよ」
「え…そういえば服に血がっ…一体何やったの?」
「大天使のお気に入りと一発ヤろうとして失敗した」
「は?」
「結構俺好みの奴だったからよ、食っちまおうとしたらあのヤローさっさと審議会終わらせて帰ってきやがって修羅場になった。ちなみにこれは逃げる時に大天使殴ってついたあいつの鼻血」
「本当に何やってんの!?」
「だからヤれなかったんだっつの。本気で弓を射ってきやがったから一先ず地上に逃げてきたんだよ。流石に人間界に向かっては弓放てないからな。てな訳で俺様をここに置け。お返しは体で払ってやろう」
「いらないからもう本当に帰りなよ。そしてごめんなさいって懺悔してきなよ。未遂なら許してくれるかもしんないし」
「無理無理。天界帰った瞬間殺されるって。つかあいつ今も天界から俺に弓向けてっから」
「ちょっとぉぉおっ!!俺巻き込まないでっ!もう帰ってぇぇっ!!」
「お前…」
「なっ、何?」
「よく見たら俺好みだな」
「は?」
「その幼稚臭くてちんちくりんな顔立ち、マジで好みだわ」
「失礼だなおい。てか何で上に乗っかってきてんの?」
「んなのヤるからに決まってんだろ。あんな大天使のお手付きよりよっぽど美味そうだ。安心しろ、俺の指テク凄ぇから」
「今までで一番慈悲深い笑顔でなんて事言ってんだっ!!てか俺男だしアンタも男だから無理だって!!」
「安心しろ。天使は博愛主義だ」
「天使っぽい発言だけど要は節操無しって事だろっ!?やだやだ助けてっ!神様ぁぁあっ!!」
「おい、その神がニヤニヤしながら俺らを見下ろしてんぞ。あ、親指立てた」
「神様ぁぁぁあっ!?」
「いい加減観念しろ。神の御加護の元、昇天しちまうぐらい最高の天国を味わわせてやっからよ」
「ちょっ、本当に無理無理っ、ちょっ、あっ…ぎゃぁぁぁぁあああ!!」
そしてこの日から俺の家には自己中心で偉そうなエロ天使が住み着きました。
もういっその事弓放ってくれないかな大天使。
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