※このお話は、遥様リクエストの可愛い彼女から始まったシリーズです。
読まれなくても差し支えはありませんが、二人が付き合うことになった経緯を知りたい方はどうぞご覧くださいませ。
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「6番沖田、」
午後の気持ちいい日差しが教室に差し込む昼下がり、古文の授業でのこと。
土方先生の出欠確認が6番に差し掛かり、私はふと総司の席に目をやってみた。
いない…。
「……ったく総司はまたいねーのかよ」
いつものことなんだけど、総司はよく土方先生の古文をさぼる。
「おい、坂下。総司呼び出してくれ」
「へっ、私が…ですか?」
土方先生の無茶ぶりに、私は素っ頓狂な声を出してしまう。
「おまえ総司と付き合ってんだろうが。彼女ならそんくらいできんだろ」
土方先生はそう言うけど…
私に授業に出ろって言われたところで、総司があなたの授業に顔を出しに来るとはとても思えない。
「遥も災難だよなー。総司と土方先生の板挟みにされて」
「まったく…己の彼女に苦労ばかりかけて、総司は一体何を考えているのだ」
私に同情してくれるのは、藤堂君に斎藤君。
二人は総司と同じ剣道部の友人で、総司と付き合いだしてから、私は彼らとよく話すようになった。
それはそうと、土方先生にご指名された以上は無視というわけにもいかないから、私は鞄から携帯を取り出し、総司とのトークルームにチャットを送る。
一応、スマホを授業中に触るのはあまりよろしくないので、土方先生にきちんと許可を取ってから。
『いまどこ?土方先生怒ってるよ?』
ヴーヴーヴー
私がチャットを送ると、びっくりするくらいの速さでスマホの通知が震える。
『屋上だよ(はぁと)てきとーに言ってごまかしといて☆〜(ゝ。∂)』
ちょっと、なんでウィンク?
さすがの私も土方先生は怖いので、嘘とか吐きたくないんですけど…
でも総司が土方先生に怒られるのは可哀そうだし…やっぱり私が誤魔化してあげるべきなのかなって思ったり、思わなかったり。
そんな総司からのメッセージに私が頭を抱えていると、私のスマホが急にふわっと宙に浮いた。
ハッとして、そのスマホを目で追いかけると、そこには眉間に皺を寄せて総司からのメールを見ている土方先生がいた。
「…総司のやつ…舐め腐りやがって!おい、坂下!今すぐ屋上に行って総司を呼んで来い!」
「ひゃ、ひゃい!ただいま!」
怖い、怖いです。
あまりの怖さに、私は言葉を噛んでしまいました。
悪いのは私じゃないのに、理不尽じゃないでしょうか。
というわけで、私は土方先生の剣幕に体をぶるっと震わせて、慌てて総司のいる屋上へと走って向かったんだ。
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読まれなくても差し支えはありませんが、二人が付き合うことになった経緯を知りたい方はどうぞご覧くださいませ。
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「6番沖田、」
午後の気持ちいい日差しが教室に差し込む昼下がり、古文の授業でのこと。
土方先生の出欠確認が6番に差し掛かり、私はふと総司の席に目をやってみた。
いない…。
「……ったく総司はまたいねーのかよ」
いつものことなんだけど、総司はよく土方先生の古文をさぼる。
「おい、坂下。総司呼び出してくれ」
「へっ、私が…ですか?」
土方先生の無茶ぶりに、私は素っ頓狂な声を出してしまう。
「おまえ総司と付き合ってんだろうが。彼女ならそんくらいできんだろ」
土方先生はそう言うけど…
私に授業に出ろって言われたところで、総司があなたの授業に顔を出しに来るとはとても思えない。
「遥も災難だよなー。総司と土方先生の板挟みにされて」
「まったく…己の彼女に苦労ばかりかけて、総司は一体何を考えているのだ」
私に同情してくれるのは、藤堂君に斎藤君。
二人は総司と同じ剣道部の友人で、総司と付き合いだしてから、私は彼らとよく話すようになった。
それはそうと、土方先生にご指名された以上は無視というわけにもいかないから、私は鞄から携帯を取り出し、総司とのトークルームにチャットを送る。
一応、スマホを授業中に触るのはあまりよろしくないので、土方先生にきちんと許可を取ってから。
『いまどこ?土方先生怒ってるよ?』
ヴーヴーヴー
私がチャットを送ると、びっくりするくらいの速さでスマホの通知が震える。
『屋上だよ(はぁと)てきとーに言ってごまかしといて☆〜(ゝ。∂)』
ちょっと、なんでウィンク?
さすがの私も土方先生は怖いので、嘘とか吐きたくないんですけど…
でも総司が土方先生に怒られるのは可哀そうだし…やっぱり私が誤魔化してあげるべきなのかなって思ったり、思わなかったり。
そんな総司からのメッセージに私が頭を抱えていると、私のスマホが急にふわっと宙に浮いた。
ハッとして、そのスマホを目で追いかけると、そこには眉間に皺を寄せて総司からのメールを見ている土方先生がいた。
「…総司のやつ…舐め腐りやがって!おい、坂下!今すぐ屋上に行って総司を呼んで来い!」
「ひゃ、ひゃい!ただいま!」
怖い、怖いです。
あまりの怖さに、私は言葉を噛んでしまいました。
悪いのは私じゃないのに、理不尽じゃないでしょうか。
というわけで、私は土方先生の剣幕に体をぶるっと震わせて、慌てて総司のいる屋上へと走って向かったんだ。
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