アルカナに描かれた詐欺師にも似た魔術師の姿は貴方そっくり。軽快な嘘を、なんの罪悪感もなく、淡々と吐き出すだけのお仕事。たまーに自嘲。お似合いだわとは言えなくて、ついつい苦い顔をしてしまう。困らせるつもりはちっともないのよ、本当なの。でももう少し、貴方の本音を見せてくれたっていいでしょう?嘘にはどうも慣れないの、正直者って意外と大変なのよ?
「花村くんが欲しいな」
ヘーゼルブラウンが真ん丸に見開かれて、動揺の二文字が彼の仮面にべたりと貼り付けられた。その顔はとても好き、不意をつかれるのは苦手なのね。疑っているのでしょう、でも本心なの。訝しげな瞳は見慣れなくて、でも素敵だった。

ねえ?鳥籠で待っていた王子様は、紛れもない貴方でもあるのよ。


おじょうずなのね
(:20120201)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -