視線が集中している方はつまり腰の辺りで。
「…月森センセイ?」
「うん?」
「目つきがいやらしい」
「いやらしいこと考えてるからね」
「いたいけな青少年に向かってなんてこと言うんだお前は」
「いたっ」
いたたまれなくなって誤魔化すように鳴上の頭にチョップした。
「ね、いやらしいことしたい、陽介」
「い や だ」
「けち」
「こんなことで心狭いだなんて言われたくねぇ」
「陽介のけーち」
「一方的に俺が悪いみてぇじゃねぇか!」
「冗談だよ」
こらえきれていない笑い声が馬鹿にされているようにしか聞こえなくて、若干の苛立ちも覚えた。あきらかにからかわれていると分かっていても反抗ができない。流されやすい質はいつも主導権を月森に取られてしまい、少し悔しい。
「今に覚えてろよ月森…」
「楽しみにしとく」
「その余裕さが腹立つ!」
「あっはっはっは」
いいこいいこ
(:20111201)