「結局君も君でほいほい着いて来ちゃったけど、よかったんだ?」
今更過ぎる質問に目を見開く。ベッドの向こうでやけに笑顔なJが映った。
「じゃあ、今からでも遅くないですかね」
「うーん、無理じゃないかな。ミハエル君すぐ見つかりそうだし」
「今更じゃありません?」
「それもそうだね」
何が面白いのか自分にはよく分からないけれど、くすくすと体を震わせながら笑うJはなんだか楽しそうに見えた。突飛すぎる行動に毎回驚かされてはいるが、これには少し戸惑った。
「ミハエル君の運命ってさ、あそこに入っちゃった時点で決められたようなもんだよねえ」
「やめてくださいよ、洒落になんないんで」
「本当のことでしょ」
「…まあいいです、なんとか今生き延びてるんで」
「物好きだね」
「連れてきたってことは、責任は負ってくれるんですよね?」
「さあ?」
「………」
「冗談だよ、最低限君が生きられるようにこっちも努力するさ。すぐに死なれても困るしね、いろいろと」
「はあ、」
利用するために生かすと宣言されたようなものなのに憤りを一切感じないのは相手ゆえか。
悪い気はしないとまで考え始めている自分にほとほと呆れながら、パソコンの電源を切った。


コールオンザプール
(:20110825)
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