今日の調合はわりかし上手くいっただとから、昨日食べたケーキは格段と美味しかっただとか、予算書の作業は細かくて苦手だとか、嬉しい出来事から苦い出来事まで包み隠すことなく溢れんばかりに自分に話す彼女の表情は常に忙しそうだ。
あまり顔にだして感情を表現しない自分からすれば、そんなに始終ころころと表情筋を動かしていて果たして疲れてしまわないのだろうかと、どこか見当違いな疑問を抱く程。余計なお世話だということは自覚している。
しかし色を変える彼女の様子は、春に花開く植物を彷彿とさせて穏やかな気持ちになれるのだから不思議だ。しかも話すたび話すたびその色は今まで見たことのない色に変化していくので、まるで新種の花を発見したみたいでこちらも楽しくなってくる。
珍しくロマンチックな思考は恥ずかしくてあまり人に言えたものではないが。
「ロジーさん!」
微笑む彼女に呼応するかのように、胸の内に何かが芽吹く音がする。新しい春が、すぐそこまで来ていた。


なんてよぼう
(:20131031)
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -