「なまえかわいーねー!」
「十四松も可愛いよ」
「マジでー!?」
「まじでまじで」

 かわいいねえと言いながらぼくをぎゅっと抱きしめてくれるなまえはほんとうにほんとうにかわいくって食べてしまいたい。性的な意味じゃなくってほんとの意味だ。そのお腹を開いて胃袋に頬擦りしてあげたいぐらいかわいいなまえだいすき、って言ったらさすがに引かれて怖がられてしまいそうなので言えずにいる。トド松に話したら兄さんそれはさすがに洒落にならないから絶対言っちゃダメだよって言われた!だから言わない!

 ぼくは梨がすきだ。なまえは梨ににている。白くて甘い匂いがするところ。なまえも梨とおんなじようにかみついたら甘い果汁があふれるんじゃないかって、じつはおもってる。そういえば平成では梨のキャラクターが流行ってるらしいどうでもいいけど(なまえがかわいければなんだっていい)。
 ああ、むきだしの肩がぼくに食べて欲しそうにこちらをみている!たべたいたべたいなまえかわいい食べて良いかなあ

「十四松兄さん」
「……ハッ!」

 携帯をいじっていたトド松に声をかけられて、口の端から溢れていたよだれをすすった。あっ、ちょっとなまえの肩によだれつけちゃった。ごめんねー!パーカーの袖でごしごし拭いてあげたらなまえはおかしそうにけらけら笑っておいしいもののことでも考えてたの?ってぼくに聞いた。

「うん!かんがえてた!」
「なになに、私もよだれ出したい」
「なまえにはあげねー!」
「えー!」

 たとえぼくの大好きななまえでもかわいくておいしそうななまえを渡すわけにはいかない。わたさねーぞ!と立ち上がればなまえはなにをう!と立ち上がる。おっプロレスかな?プロレスしてくれるのかな?わくわく!卍固めきめてやる!いくらかわいいなまえでもプロレスは男と男の真剣勝負!容赦しねーぞー!

「……うひゃひゃひゃ!」

 と思ったけど、プロレスじゃなかった!なまえはぼくに飛びかかってきて両脇をこちょこちょしてきたのだ!思わずぼくはいもむしみたいにくねくねのたうち回っちゃって、なまえの手から逃げるために笑い転げながら身をよじった。そこへ帰ってきたチョロ松兄さんがぼくたちを見てはあーって溜息をつく。

「ちょっと十四松うるさいよ。なまえも十四松のテンション上げすぎないで、熱出しちゃうから」
「ええっ熱出すの?ちっちゃい子みたい」
「ほら酸欠起こしてる」

 わらいすぎて喉がひくひくする。カラダびくびくしておもしれー!ひゅうひゅう言ってるぼくに気付いたなまえがあわあわした様子でぼくの顔を覗き込んだ。わああ視界がちかちかする!すげー!なまえのつやつや光る両眼がゼリーみたいでおいしそう。茶色と黒の間だからチョコレート味だろうな、白いところは牛乳味かな、あまいのあんまりすきじゃねーけどなまえはたべたい。でもたべたらなまえの目、見えなくなっちゃう、やだー!

「だいじょうぶ?」
「らいじょぶー」

 よしよしごめんねってされるとうひひ!って笑い声が漏れた。(ゆるすからおっぱいたべさせて!って言ったらチョロ松兄さんにけっとばされちゃった)


咬んで砕いて
のみこんで

(151119)



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