長編あらすじ
・Hello,distortion!!
葉世市は少しだけ「歪んだ」街。
住人は少しだけ「ズレた」人々。
ある者はたくさんの「自分」と街の頂点へ。ある者は嘘にまみれた街を知る。ある者は街で唯一の潔白。ある者は愛の為に街を壊す。ある者は街の表と裏のボーダーライン。ある者は圧倒的な力で街を統治する。
街に住む人の数だけ話がある。
そんな幾つもの話。
・Dis.
「街は昔から歪んでいたのか?」
そんな問いがまことしやかに流れている。
「街は本当に歪んでいるのか?」
慣れてしまった人間は最早分からないだろう。
さて、挨拶は程々にしよう。
新しい出会いばかりではなく、たまには過去を振り返るのもいいものなのだから。
葉世市の人々が物語を紡ぐ、ほんの少しだけ前の話。
・Operation The Nereides
人知を超越する能力を持つ者、持たない者。
努力で天賊を越える者、越えない者。
才能に溺れる者、憧れる者。
勝つ者、負ける者。
守る者、守られる者。
「安全を金で買う」とはよく言うものだ。
それはネパールのサガルマータ山中でも、エチオピアのダナキル砂漠でも、シンガポールの街中でも、ペルーのスラム街でも、フランスの美術館でも、アメリカのファーストフード店でも同じ。
そしてここ、アルバニー沖を進む豪華客船ネレイデス号の中でも。
WSSIは世界規模で「安全」を「商売」にしている世界最大の警備会社であり、その商売を成し得るガードマン達は、そのたぐいまれな能力や技術を評しフォースと呼ばれている。
船上で通信が途切れたメンバーを追い、新人フォースであるケネス・ノックスは仲間と共にネレイデス号へと降り立った。