なんていうか。
何が起こったのか、よくわからない。





誤転送ガンルート
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incident






「………」


ここは、どこだろう。
そんなことを思いつつ、呆然とした気分のまま辺りを見回す。
緑の美しい木々、爽やかな風
そのくらいは、僕がThe Worldに取り込まれてた時にもあったけれど
それより遥かに生々しい。

そして、目の前に聳える建物は
The Worldにあるような形式のものではなく、それ以外の異国風のものだった。


「………」


思い返してみよう。
なんで、こうなっちゃったんだっけ……





「ぎゃーーーーー!!!!」


大声をあげながら、タウンを走っているのは白髪白服のXthハセヲ。
今日も今日とて彼の周りは騒がしく、とても大変そうだ。

その彼が、僕から見えるコーナーを曲がってきた。
僕に気付きながらも止まることが出来ないのは、誰かから逃げているのだろう
走り去って行った。

その後を追いかけるのは、水色の服を着た女性。「まぁて〜♪」と、至極楽しそうな声で走り去って行く。

それを視線だけで追い、
踵を返してグランホエールへ戻った。





「来るなぁぁぁぁぁ!!」
「いっやだよ〜ん!!待ってー♪♪」
「なんで俺までぇぇぇ!!?」


グランホエールでカイトと話をしているところで、またもや騒がしい声。
さっきのメンバーと、最後の悲鳴はトキオだろうか。
大方ハセヲの盾にされたのだろう、一緒に逃げるハメになったらしい。

というか、ここは黄昏の騎士団以外乗れたっけ?

そんな余計なことを考えていたら、背後からハセヲが衝突。
前を向いていなかったのだろう、「うぉ!?」と短く声。
続いて逃げ道が塞がったトキオが止まれずに巻き添え。

大丈夫、と心配して駆け寄るカイトの瞳が、水色の服の女性を認知した。
女性の手には、オーヴァン並みの大きな砲。


「捕まえたー!!
んじゃ、行ってらっしゃーい!!」





ああ、そうだ。
なんかを打たれて、気が付いたらここにいたんだっけ。
周りの地面を見回すと、今しがた起き上がったらしいカイトと、呻いてるトキオと、まだ気絶してるハセヲがいた。

ハセヲが狙われてたからか、一番近距離だったのだろう
近寄って揺すってみる。


「ハセヲ」
「………、」
「…ハセヲ」


少し呻いて、頭を抱えながら起き上がる。
4人とも目が覚めたところで、カイトの提案で状況を整理することになった。


「僕たち、水色の服の女の人に何かされたんだよね…」
「そこまではボクも覚えてるよ」
「あれ、誰なの?
The worldにない衣装だったよ」


ハセヲに問う。
一番わかってそうな彼は、少し頭を掻きながら微妙な顔をして応えた。


「オレもなんか知らねーんだけどよ…前に、アスベルってやつ来たの知ってるよな」
「ボクは聞いたね」
「そいつがこっちに来るきっかけになったやつがその水色のやつで、…パスカルって名乗ってたな」


あの女性はパスカルというらしい。


「そいつが、なんか興味津々にこっちに来たらしくてよ。
辺りを適当に観察してたとこでオレが見つかったっぽい」
「え?あの時キミ1stだったじゃない。今Xth…」
「中年のヤツに指さされた」


ハセヲの眼差しがどこか遠くを見つめ始めた。
現実逃避の眼差しだ。


「で、追いかけられたと」
「俺は巻き込まれたと」
「あの砲は?」
「そんなもん知らねえよ…」


「「「「…………」」」」


結局、よくわからなかった。
とりあえず帰る方法を探そうと、見えている建築物を目指していくことになった。





「あっ、ちょっと君たち!」


声がした。
何かと辺りを見回してみるが、人影はない。
得体の知れない声に全員が武器を握りしめ、臨戦態勢になる。


「えっ武器構えないでおくれよ、私は武器持ってないんだ」
「姿見せねーやつが言ったって説得力ねーんだよ!どこだ!」
「ここだよー」


にゅっ。
ハセヲの一番近くにある木から、逆さまになって人が現れる。
あまりの即答さと危機感のなさに、ハセヲの表情がコメディよろしく変な顔になった。
カイトは 逆さまの人物に驚き、トキオはハセヲの表情に吹き出した。


「テメェ、トキオ!笑ってんじゃねェ!」
「ごっ、ごめ……っあははははは」
「笑ってんじゃねえか…!!」


標的をトキオに変えたハセヲを背景にし、カイトは逆さまになってる人に話しかけた。


「えっと…どなたか知りませんが、
ボクたちに何か用ですか?」


それに応えるように ぶら下がっている三つ編みが揺れ、
かけ声とともに地上へ降り立った。


「私はジャック。ジャック=ベザリウスだ
君たち、あっちに向かってる?」
「はい」
「何故?」


問い掛けられ、カイトが僕に目配せをする。
信じてもらえるかは些か不安だが、事実なのだから
話しておく事にした。





「それじゃあ、君たちは世界を越えてきたのかな?」


話し終えて、多分そうなんだろうと理解した。
少なくともこの世界には「日本」も「アメリカ」も「地球」もないらしい。

それに うーん、と唸りながら、ジャックは困った表情を浮かべている。


「目を覚ましたらこの辺りにいたから、一番近いアレに向かってたと」
「はい」
「んー」
「何か問題でもあるのですか?」


さっきから唸るばかりのジャックに、カイトが問う。
そこは僕も気になっていたところで、問題があるなら言ってほしい。
僕らにこの世界のことはわからない。


「あると言えばあるんだ
ここ、部外者は入れないから」
「…どういうこと?」
「君たちは入れない場所に入ってるってことだね」


ああ、それは…。
それにワンテンポ遅れて気付いたらしいトキオは、顔面を青白くして驚いている。

不法侵入だ。



「だから、あっちに行くとまずい」
「じゃあ…僕たちはどこに向かえばいいのかな…」


あれ以外アテがない。
第一、他の街に行っても情報収集ができるだろうか。
この服装、ジャックを見る限りはかなり浮いているし…。

ため息すらつけそうな雰囲気に、ジャックがひとつ提案をした。


「じゃあ、少しの間ちょっと待っていてくれるかい?
私はあっちに用があるから、用が済んだら私の家なり街へ来るといい」
「いいんですか?」
「たぶんね。
じゃあ、見つからないようにしてておくれよ」


ここはか弱そうなひとも強敵だからね!と残す彼と、一旦別れた。





「でね、グレン
こういう可能性は…」
「失礼します、グレン様
くせ者……が、ってジャック、あんたまた!」


手早いナイフ捌き。
そのナイフを、小さく驚きながらも避けたジャックは目を丸くした。

グレンが問う。


「何かあったのか、シャルロット」
「はい。
外よりの庭先に、侵入者が」


片手を差し出した先にぶら下がっているのは、トキオ。
情けない涙目で猫のような姿勢の彼と
逆の手には僕……司がいる。
なんかもう、逃げられなさそうだったから抵抗もやめた。

カイトとハセヲは、どうなっただろう。
剣捌きの凄いひととやりあってたけど…。


「トキオと司じゃないか」
「……知り合いか」
「んー、まあ、そんな感じ?
さっき話してただろう」
「…作り話ではなかったのか」
「Σ私が空想話をしてると思っていたのかい!?」


コントのような話を繰り広げているジャックに、黒い服の人。
それに承知したらしい黒い服の人は、僕を捕まえている女性に離せと命令した。
それを了解しつつも、大丈夫なのか確認をする声。
それに彼が目を伏せて頷いたら、ようやく手を離される。


「た、助かったぁぁぁ…!!」
「お疲れさま、トキオ。
ね、ここのレディは強いだろう」


ロッティは最強だからね!と軽口を叩いたジャックが、女性の攻撃を受けた。

攻撃を受けた頭をさすりながら、ジャックは再び問う。



「……ハセヲとカイトは?」
「なんか細目の人に狙われて…」
「ファングが追ったわ。
連れてくるように言ってきます」


そう言って踵を返し、去っていく女性。
残された僕たちは、とりあえずおとなしく座っておくことにした。
ヘタに振る舞うよりは、下手に出ておいた方が安全だ。

心配なのはトキオなので、片手を伸ばしたら届くくらいの距離で座る。


「で、さっきの話なんだけどね
この子たちはこの世界の人間じゃないって」
「…まあ、服装を見れば異国か異界の者であるのは確かだな」
「帰りたいらしいんだけど、手はあるかな?」


それに、黒い服の…グレンだったかな
グレンは目を伏せて押し黙る。
無くはないが、教えることは出来ないと呟いて。





その夜、僕らはジャック宅に居た。
グレンらの屋敷…バスカヴィルに留まることは許可されなかったのでジャックに連れられてきたが
お邪魔して良かったのだろうかと若干心配にはなる。


「ひ、広い…な…」


そう零したのはトキオ。
でもみんな一様に驚いているから、内心は同じだ。
グレン宅といいジャック宅といい、広い。
貴族なのだろうか…。

言っていると、部屋が用意できたと声がかかり、そちらへ通される。
正直 プレイヤーが男性の三人と同室なのは些か緊張を覚えるけれど、
キャラクターが男の僕には断りづらかった。

気心は知れているけれど緊張で手持ち無沙汰な僕に、
ジャックが何か持って話しかけに来てくれた。


「司は寡黙なんだね。
三人との仲はいいのかい?」
「………まあ」


仲がいいのとリアルの話は別だ。
今の僕はThe Worldに取り込まれた時みたいに、キャラクター『司』でいろんなものに触れることができる。
だから、なんだか緊張ばかりが前に出てしまって落ち着かない。


「そうか。
…ねえ、司は懐中時計とか、好きかな?」
「懐中時計?」


あの、アナログで針が時を刻むやつだろうか。
聞き返せば、さっき持ってきていたものを僕の手に握らせてくれる。


「そう、これ。
開いてごらん?」


言われ、開こうとしたがやり方がよくわからなくて開かない。
貝みたいに開けるのではないのなら、携帯みたいに開くのだろうか。
ボタンのようなものを見つけ、押してみたらバネ反射のように開いた。

同時に、盤面が刻まれたアナログの時計と
オルゴールの旋律が流れてくる。

それに気付いたのか、話をしていた三人もこちらを向いた。


「……オルゴール?」
「そう!
私はそういった職でね、自分でつくっているんだ」
「えっ、それジャックがつくったのか?すげー」


元の位置のまま、トキオが感嘆を洩らした。
ジャックが淡く微笑みを返し、再び僕に向く。


「一番出来のいいものはあげられないけど。
これでよかったら、司にあげるよ」


銀色の、植物をあしらった彫刻。
響く音色は、どことなくR:1時代のマク・アヌのような懐かしさを醸し出している。

いいの、と聞き返せば、
どうぞ、とかえってくる。

ありがとう、と小さくお礼を返した。





数日後、
ジャックに呼ばれて再びバスカヴィルの邸内へ案内された。
なんでも、ここにいる少女と僕たちの話をしていたら、会いたがったのだとか。

渋々ながらもグレンは承諾してくれたようで、
ジャックの案内でそちらへ向かっているところ。

その途中、突然僕の腰あたりに横から誰かがつっこんできた。
見やれば、そこには少々内巻きの髪をした小さな女の子。
片頬にはタトゥーのようなものがあった。


「わわっ、すまない!
……ん?お前ら誰だ」


おでこを抑え、一歩下がって謝った少女は
僕らを見て不思議そうな表情を浮かべた。
その中にジャックを見つけ、あっと声をあげて指差した。


「リリィ、元気そうだね」
「ジャックじゃないか!
何をやってるんだ、こんなところで?
遊びにきたのか?」


そんな会話を交わす。
少し話して、再びこちらに視線を戻した少女は
僕らの方へ近づいてきた。


「お前たち、ほっぺたに刻印があるんだな」
「?そうだね」
「わたしもあるんだ!お揃いだな!」


明るい笑顔でそう言った少女を見て、
そういえばこの世界の住人には刻印がないなと気付く。
なんだか嬉しそうだったので、軽く頭を撫でてあげる。


「そうだ、リリィ」
「なんだ?」
「これから4人を連れていくから、とグレンに伝えてくれるかい」


グレン様に?と首を傾げるものの、了解だと快活に応えて走っていった。
しばらくジャックが手を振り、彼女が見えなくなってからまた案内を始めた。





「ここだよ。
ちょっと待っててくれるかい?」


そう言って彼が連れてきたのは、邸内にぽつんと建つ塔だった。
他の建物とは違い狭いその塔は、さながらグリム童話に登場する幽閉のそれ。

隔離されたその塔へ入っていった彼を待つこと数分。
少々乱暴でトーンの低い声が微かに聞こえたかなと思うと、
再び彼が降りてきて塔へ上がらせてくれる。

現れたのは、長い黒髪の少女だった。


「いらっしゃい。
わたしはアリス。あなたたちは?」


柔らかく微笑んだ彼女に名を聞かれ、僕らは応える。
彼女の他に人がいるのかと思って見渡してみるけれど、居ないようだ。
不思議に思いながら、彼女の言葉に耳を傾ける。


「あなたたちの容姿、名前、聞いているわ。
間違いないようね」
「どういうこと?」
「ふふ、実はね。
"ここ"ではない別のわたしのお部屋に、最近物がよく届くの」


にこにこと笑いながら応える。
別の部屋…この塔に別の部屋はなかった。
彼女は別の場所に住んでいるのだろうか。

ハセヲがその言葉に問い返すと、彼女は首を縦に振った。


「お人形さんと、お菓子と、お手紙が届くのよ。
そのお手紙に、あなたたちのことが書いてあるの」


その言葉に、僕たちは顔を見合わせる。
誰も心当たりは、ない。

彼女はそれを待ってから、また続ける。


「あなたたちは、この世界のひとではないのよね」
「はい」
「帰りたいのよね?」
「うん」


それを確認して、彼女はゆったりと微笑んだ。
そして踵を返し、洋服タンスに向かいながら言う。


「わたしの"お部屋"からは帰れないけれど。
お手紙と一緒に届いたモノを使ったら、帰れるかもしれないわ♪」
「一緒に届いたモノ…?」


何か不穏な気配。
みんな感づいているのか、ハセヲに至っては「またこのパターンなのか…?」という表情をしている。
カイトも ぴろしに巻き込まれた経験からか、何かしら察知したらしい。

んしょ、と小さくかけ声をあげながらアリスが何かを手に取った。
かけ声とか、重いのか。
どうやって運んだのか。

くるっと振り向いた彼女は、
笑顔にそぐわぬ銃を持っていた。
傭兵が持っていそうな銃槍だ。


「これなんだけど♪」
「「あからさまに危険そうじゃないか!!?」」


ツッコミのハセヲと、リアクションのトキオが同時に口走った。
それに、えーとばかりに残念そうなアリス。
横でジャックが苦笑い。


「じゃあ…これはどうかしら」


ミラクルハンマー的な、巨大ピコピコハンマーの登場。
そんなのしかないのかよというトキオ達のツッコミ。
カイトとジャックは苦笑い、僕は見てるだけ。

それにも残念そうにした彼女は、次を出した。


「こんなのもあるのよ♪」
「「マンボウ!!!?」」


どこからどう見てもマンボウだ。
使い方がさっぱりわからない上に、あんなもので帰りたくない。

それも却下され、
ちょっとくらい暴れてみたかったのに…と残念そうなアリス。
マンボウで暴れるの?
どうやって?

それも名残惜しそうにしまい、次のが最後よ?と言いながらそれを出した。
かなり重いらしく、ジャックも手伝い始める。


ピンク色のドアだった。


((((…………猫型ロボットのアイテム…!!))))


まさか過ぎてみんなが絶句した。
それに数秒固まっている間もアリスは返答を待ち、にこにこしている。
我に返った僕らは、見合わせて話し始める。


「おい、なんで全部コメディチックなんだよ」
「ハセヲがいるからじゃないか?」
「それ言うならトキオ、テメーもだろうが…!」
「ボクはあれでいいと思うけど…司は?」


カイトが尋ねてくる。
僕はドアを見つめながら、言った。


「夢があっていいと思う」
「「そこかよ!?」」


とりあえず全員が合意したのでアリスに返事をする。
すると、彼女はちょっと困ったような表情を浮かべた。


「悪いのだけど……お手紙には、1つ一回しか使えないって書いてあったわ」


4つでぴったりだった。
それに少々僕たちは揉めたものの、最終的に

僕→ドア
カイト→ピコピコハンマー
トキオ→マンボウ
ハセヲ→銃槍

になった。
ハセヲの運の悪さには、瞬き程度に同情した。


「じゃあ、僕が一番安全そうだからやってみるね」


確実に帰れるか確認のためにドアを開いた。
向こう側の景色は、R:1時代のマク・アヌの裏路地のようだ。
壁の向こうにいるプレイヤーのセリフが、壁から突き抜けている。


「………じゃあ、行くね。
アリス、ありがとう」
「いいえ。よかったわ」
「ジャック」
「なんだい?」


笑顔で応えるジャックに、
ポケットに入れていた懐中時計を取り出した。


「……ありがとう。じゃあね」


返ってきたのは、手を振る彼の笑顔だった。





「おっかえり〜ぃ!」


帰ってきてみれば、またもやグランホエールにパスカル。
床を叩いて弧陣を出すだけだったカイトはともかく、
さながらロシアンルーレット気分だったらしいハセヲは力なくうなだれた。

それを気にもしていないパスカルに、代わりにカイトが尋ねた。


「えっと…パスカル、だったかな?」
「おりょ、なんであたしの名前知ってるのかな〜?まあいっか。
なーに?」
「キミはどうして、ボクたちにあの砲を向けたの?」


何故飛ばされなければならなかったのか。
はっきりさせようと聞いたのだろう、理解したパスカルは手を叩いてから応え始めた。


「ここのことが凄く興味深くてさ〜!
1人連れて帰ろうと思ったんだよ〜!」


4人飛んだんだけど。


「……………。1人?」
「うん!そう!
出力間違えちゃって4人も飛んじゃったみたい!」


ごめんね〜!と、手を合わせて謝るパスカル。
カイトとトキオは、それで理解もしくは諦めたらしい。


「…あの世界、キミの世界とは違ったみたいだけど…」
「それもあたしのミス!波数を間違えてたみたいで」


さっきの姿勢のまま頭だけを深々と下げる。
もう僕も いいやと思った。
けど、ハセヲは怒りと疑問をまだ持っているらしく
口元がピクピクしている。


「…………オレ達はテメェのミスをふっかけられたのかよ」
「わーるかったよ〜、ごめんってば〜」
「軽ィんだよ謝り方がよ!!
つか、テメェ脇に挟んでんのなんだよ」


ああ、ハセヲ、それ聞いちゃ…。


「これ?これは今度こそあたしの世界行きのハリセンだよ〜!
さあ、誰が来てくれるのかな!?」
「「「あの人」」」


三人揃ってハセヲに手を向けた。
ハセヲはぎょっとし、パスカルはよっしゃーと目標を決定。


「ちょっ、待てこらテメーら…っつか来ンなぁぁぁぁぁ」
「イーヤッホーゥ!
百発百中〜!覚悟〜!」


その後のハセヲがどうなったのかは、僕にはわからない。





2011.03.21



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あとがき