【怪我をしました】
 
#01 坂田銀時

銀時「痛って!」
真弓「えっ!?銀ちゃん大丈夫!?」
銀時「おー。ちょっと紙で指切っただけだから。」
真弓「うわ…、地味に痛いやつじゃないソレ。見せて。」
銀時「いや、そんな大袈裟なモンじゃ…。」
真弓「! 血が出てる…。絆創膏持ってこようか?」
銀時「……。」
真弓「? どうしたの?」
銀時「…舐める?銀さんの血、甘ェかもよ?」
真弓「えぇっ!?血糖値高いから??」
銀時「そ、血糖値高ェから。つーかホラ、早く手当てしてよ。痛ェし。」
真弓「何で口元に指持ってくるの…。そんな事より絆創膏…!」
銀時「いいから、ほれ。」
真弓「………、んー。」
銀時「どう?真弓。銀さんの味は?」
真弓「変な聞き方しないでよ。…鉄の味しかしない。」
銀時「ふはっ、鉄食った事あンのかよ。……ん、確かに血の味しかしねェな。糖分自給自足出来りゃ食糧難にはならねェのによォ。」
真弓「ななななんで同じとこ舐めたの!??」
銀時「は?…何なにー?真弓チャン、銀さんとの間接キスでそんな赤くなってンの?かーわうぃー!」
真弓「ち、違うし…!も、何、銀ちゃん近い…っ!」
銀時「ンな反応されたら我慢出来なくなるっつの。」
真弓「…っ手当て!手当てしないと痛いでしょ!?」
銀時「もう痛くありませーん。」
真弓「は、はぁあ!?」
銀時「…なァ、もっかい舐めて?真弓。」
真弓「っ、」

【高糖度の甘いキズ】

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#02 志村新八

新八「真弓さん、おはようございます。」
真弓「新八君、おはよー。」
新八「銀さんと神楽ちゃんはまだ寝てるんですか?」
真弓「そう。だから、朝御飯作ってたら起きてくるかなぁって。」
新八「僕も手伝います。これ切れば良いですか?」
真弓「本当に!?ありがとう、助かる!…あ、でもその包丁、」
新八「あっ!」
真弓「よく切れるから怪我しないように、って新八君!?大丈夫!?」
新八「平気です。絆創膏持ってますから。……ほら!」
真弓「……。」
新八「真弓さん?」
真弓「痛いの、痛いの、飛んでいけー。」
新八「! あの、手…、」
真弓「あ、ごめんね!傷に触れちゃった!?」
新八「いっ、いえ…!!手を握ってもらったら、痛いの本当に飛んでいった気がします…。」
真弓「本当!?それなら良かったー!」
新八「あは、真弓さん、魔法使いみたいですね。…でも、僕の痛みはどこに飛んだんでしょうね?」
真弓「どこか遠くに飛んで行ったのかもね。」

銀時『ぐあぁ!頭痛ェ!飲み過ぎたァァァ!!』

新八「…銀さんのところかな?」
真弓「…銀ちゃんのところかもね?」

【傷に手を当てる】

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#03 近藤勲

近藤「よし、全員戻ってきたな。今日はお疲れ。…各自手当てを受けて、ゆっくり休んでくれ。」
真弓「近藤さん!おかえりなさい!」
近藤「おぉ、真弓。ただいま。…今回は少しばかりキツかったよ。」
真弓「…うん。お疲れ様でした。無事に帰ってきてくれて嬉しいです。」
近藤「ははは、最優秀賞は相変わらず総悟だけどな!…怪我人もいるから、手が空きそうなら手当てを手伝ってもらえるか?」
真弓「はい!…あれ?近藤さん、腕、」
近藤「ん?…あぁ、なかなか血が止まらなくてな。俺の事は良いから、他の隊士を見てやってくれ。」
真弓「駄目です。近藤さんだって怪我してるんだから手当てしないと!とりあえず、傷口の確認が先です。見せてください。」
近藤「…すまないな。といっても、まず血を拭かないと…って、真弓!?何を、」
真弓「何って…血を拭こうと思って。手近な布はこれだけですし。」
近藤「だからって着物の袖で拭いたら染みになるだろう?汚いからやめなさい。」
真弓「汚くないです。…近藤さんは他の隊士の怪我は心配するけど、じゃあ、近藤さんの怪我は誰が心配するんですか。…私にくらいは心配させてください。」
近藤「…。そうか、ありがとうな。あぁ、真弓。来週の日曜は休みか?」
真弓「? はい、お休みですけど…。」
近藤「新しい着物を買いに行こう。それまでには治すさ。」

【袖に咲く愛しい紅は】

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#04 土方十四郎

真弓「土方さーん!!」
土方「んあ?真弓じゃねェか。どうした、こんなとこに。」
真弓「皆が怪我して帰ってきたって聞いたから、心配で…。」
土方「…あー。すまねェ、全員そんな大した傷じゃねェから心配する程のもんじゃ、」
真弓「キャアァァアァ!土方さん、手のひら血まみれじゃないですか!?痛いぃぃ!!」
土方「ばっ、馬鹿野郎!お前血とか苦手なくせに見ンじゃねェよ!」
真弓「だ、だって…。」
土方「はぁ…。ちょっと相手の刀掴んだ時に出来た傷だから、別に騒ぐほどのモンじゃねェよ。」
真弓「でも、まだ血が出てるじゃないですか。…ちょっと失礼します。」
土方「………??何やってンだ、お前?」
真弓「この前、応急手当ての本で読んだんです。圧迫止血って言って、傷口から少し離れたところをこうやって押さえて血を止める手当てで、」
土方「いや…。それは分かるが、何で腕にしがみついてンだ。」
真弓「どの辺り押さえたら良いか分からないから、とりあえず腕の血流止めようかと!」
土方「おま、さらっと恐ェこと言うよな…。」
真弓「心配しないで下さい!血が止まるまで、絶対に離しませんから!」
土方「…なら、一生血が止まらなくて構わねェなァ。」
真弓「え、何か言いました?」
土方「いいや。…それより、色んなとこが押し当てられてンだが、俺を煽った分はあとで責任取ってもらうからな?」

【血は止まれど想いは止まらず】

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#05 沖田総悟

沖田「あー…、しくじった。」
真弓「沖田さん!ここに居たんですね!あっちで皆さん手当て受けてますよ。沖田さんはもう手当て終わりました?」
沖田「真弓には俺が怪我人に見えやすか?」
真弓「…。確かに、服も破れてなければ傷もない。パッと見、いつもの格好良い沖田さんのままです。」
沖田「分かってんじゃねェですか。用件それだけなら、とっとと行きなせェ。」
真弓「…はい。じゃあ、私は戻るので沖田さんはここにいて下さい。」
沖田「おい、走ると危ねェ、…って聞こえてねェな、あれ。……ん?向こうから走ってくんのって、」
真弓「お待たせしましたー!!手当てしますね!!」
沖田「はぁ!?…は?さっき怪我人じゃねェって言ったのは真弓ですぜ!?」
真弓「えっ?…あ、沖田さんが格好良いって話ですか??私、沖田さんが手当て不要だなんて言ってませんよ?…さぁ、足貸してください。」
沖田「…いつ、気付いた?誰も俺が捻挫したの気付いてねェってのに。」
真弓「? え、だって見たら分かるじゃないですか。立ち方というか雰囲気というか。何となく、足怪我したんじゃないかなって思って。」
沖田「っ、そんな変化に気付くとか、何の能力なんでィ。」
真弓「だって、いつも沖田さんのこと見てますもん。大体のことは察してるつもりです。…なんて、調子乗り過ぎましたね。」
沖田「…いや、いい。真弓はずっと俺だけ見てなせェ。」

【視て、気付いて、視続けて】

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#06 桂小太郎

真弓「あー、猫ー!待ってー。…つーかまえた!って、うわ、猫がいっぱい!こんな路地裏に猫の楽園があるなんて。」
桂「その声は真弓…?」
真弓「えっ、その人間ねこあつめ状態になって埋もれてるのは、まさか小太郎?」
桂「久方ぶりだな、真弓。よくぞこの桂特製にゃんこ装備を見破った!」
真弓「あ、また追われて逃げてる途中なの?…何でかなぁ、小太郎がテロリストって聞いても未だにしっくりこないのよね。」
桂「テロリストに気楽に話しかけてくる一般市民というのもしっくりこないと思うが…。あ、そっちの猫は、」
真弓「痛っ!引っ掛かれた…。」
桂「仕方のない奴だ。どれ、見せてみろ。…ふむ、血は出てないが、とりあえず消毒と包帯だな。」
真弓「わぁ、すごい手際の良さ…!…なんか、心配になってきた。」
桂「む、応急手当てとしては不安が残るようなことはしておらんぞ。あぁ、傷のことか?安心して良い。この程度なら痕が残ることもあるまい。」
真弓「そうじゃなくて!…それだけ、自分や仲間を手当てしてきたってことでしょう?小太郎には怪我して欲しくないもの。」
桂「真弓…。」
真弓「あ、だからって、攘夷とか色々止めたいってそういうのじゃなくて…。矛盾してる?」
桂「少しな。だが、気持ちは充分伝わっている。そういう気持ちが手当てでは一番大事なことだ。」
真弓「…ね、小太郎。私にも包帯の巻き方教えて。そうしたら、小太郎は手当て受けに私のところに来てくれる?」
桂「ふっ、それは怪我をするのが楽しみになってしまうな。」

【永劫、味方であり続ける誓い】

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#07 坂本辰馬

辰馬「ふんふんふーん♪」
真弓「…辰馬ご機嫌だね。そして、そろそろ下ろして欲しいんだけど。」
辰馬「何を言うがじゃ!真弓はさっき派手にすっ転んで足を怪我しちょるきに、今日はワシが足になると決めたぜよ。」
真弓「そ、それは嬉しいんだよ?辰馬が心配してくれるの、嬉しいよ?でもね、移動してない時も私を背負いっぱなしだし、皆から見られてるの恥ずかしいし、正直ちょっと転んで擦りむいただけなんだけど…。」
辰馬「今日は真弓を看護すると決めたんじゃ。今さら覆らんぜよ。」
真弓「だから、そんな大袈裟な怪我じゃないんだってば…。」
辰馬「残念じゃったな。ワシは一度決めたらやり通す男ぜよ。」
真弓「…知ってる。じゃあ、重くなったら我慢せずに言ってね?」
辰馬「ははははは!のぅ、真弓。…不謹慎かもしれんが、ワシは真弓が怪我して少し嬉しいんじゃ。いや、別に真弓がつらい姿を見て喜んじょるわけじゃ無いぜよ?」
真弓「う、うん??」
辰馬「いつもワシのことを支えてくれちゅう真弓の助けになれるんが、嬉しいんじゃ。普段は心配掛けてばっかじゃしのう。」
真弓「そんなこと無いよ。私はいつだって辰馬の笑顔に救われてるよ。…って、きゃあ!」
辰馬「ほんなら、おんぶより抱っこじゃな!ワシも真弓の顔が見れるしのう。」

【笑顔という栄養剤過剰摂取のススメ】

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#08 高杉晋助

高杉「オイ、真弓。お前いつから俺の部屋にいる…?」
真弓「えへへー。鍵空いてたよ?いくら自分の戦艦だからって不用心かもね。」
高杉「空いてても入らねェんだよ、他の奴等は。…で、お前はこんなとこで何してンだ?」
真弓「ん?うん、昨日、晋助が着てた着物の裾がほつれてたの気になったから縫ってるの。偉い?」
高杉「いや、それはお前の勝手だが、慣れねェことしてるとそのうち、」
真弓「痛っ!!」
高杉「…。はぁ…、針持ったまま余所見してるからだ。どれ、ちょっと見せてみろ。」
真弓「あ、まだ途中までしか…。」
高杉「馬鹿か、そっちじゃねェよ。指だ、指。」
真弓「だ、大丈夫だよ。ちょっと刺しちゃっただけだし、」
高杉「嘘吐け、血が出てんじゃねェか。………、」
真弓「…っ、し、晋助…、何で、」
高杉「何でって…、唾吐けときゃ治るだろ?」
真弓「それっ、普通怪我した本人がっ…、ぁ、」
高杉「……治療されてる顔じゃねェなァ、それ。俺に指舐められて興奮してんのか?」
真弓「ち、ちが…っ!も、いいからっ!大丈夫だから…!」
高杉「そんなわけあるめーよ。まだ血、止まってねェぜ?」
真弓「それは、そう…だけど…!お願い、もう…っ!」
高杉「もう我慢出来ねェのか?」
真弓「〜〜っ!晋助の馬鹿!違うって言ってるでしょ!?も、もう今日は縫ってあげない!戻るッ!」
高杉「…チッ、からかい過ぎたか。"今日は"ってところが健気だが、怪我されるくれェならやらせる訳にはいかねェんだよ。」

【君と僕の血の重さは違う】

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#1.5 坂田銀時

真弓「いたっ…!」
銀時「お、何。今度は真弓が怪我してンのかよ。銀さんが舐めて治してやっから、どこか言ってみ?」
真弓「いいよ。口の中を噛んだだけだか、んんっ!」
銀時「……、」
真弓「ふ、ぁ…。なんで、いきなりキス、」
銀時「言ったろ?舐めて治すって。……つーか、すげー甘かったんですけど。真弓実は糖分で出来てンじゃねーか?」
真弓「あはは、そんな訳無いでしょ。今いちご大福食べてたから、それで、」
銀時「……。」
真弓「あれ?銀ちゃん?目がマジだよ?…ちょ、近い近い!」
銀時「…………おかわり。」
真弓「えっ!?それってどういう、」
銀時「真弓、黙って。」
真弓「銀、……んん、」

【高糖度の甘いキス】


end

 
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