【実験:彼の布団に潜入】
 
【実験】

『もしも夜中にあなたが寝ぼけたフリをして彼の布団に潜り込んだら、どうなるのでしょう?』

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#01 坂田銀時

銀時「…むにゃ、………。…ん、!?うわっ!!!…何だ、真弓か。ビビらせンなよー…。女の幽霊か、酔って知らねェ女連れ込んだのかと思ったじゃねェか…。」
真弓「(ひ、ひどい…!)」
銀時「…真弓?おーい、寝てンのか?お前の部屋はこっちじゃねェぞォ。真弓チャーン?」
真弓「(寝たフリ寝たフリ。)」
銀時「え、マジで寝てンの?え、マジ?ちょっとちょっとォ、まずくない?こんなとこ神楽に見られでもしたらどうすンの。…なァ、真弓ー?」
真弓「(すごい話しかけてくるなぁ…。そろそろ起きた方が良いかな?)」
銀時「…はぁ。信用されてンだか、意識されて無いンだか…。自分が何してンのか分かってねェな、コイツ。」
真弓「( ! あ、あれ??)」
銀時「追い出したりはしねェけどよ。目が覚めたらとっとと自分の部屋に戻りなさーい。…つーか、成人男性の布団に自ら据え膳捩じ込むとか、ンなことしちまったらナニされても文句言えねェのよ?いつも優しい銀さんだって、狼になっちまう瞬間が…って、寝てる奴に言ってもしょうがねェか。」
真弓「(銀ちゃん…手……。)」
銀時「んじゃま、気持ち良さそうに寝てっし、今日は特別に見逃してやるから…、…おやすみ、真弓…。……。」
真弓「(…寝ちゃった。これじゃ、自分の部屋になんか戻れないよ。)」

【君の手を握って、夢の中。】

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#02 志村新八

真弓「(ごそごそ。)」
新八「んー…。…ん?…うん!?真弓さんんんん!?」
真弓「(寝起きでもよく声出るなぁ…。)」
新八「あ、あのっ、起きてください、何でこんなとこで寝てるんですか!?客間とは逆方向ですよ!?」
真弓「(すごく動揺してる。)」
新八「え、えー…。どうしよう、ぐっすり眠っちゃってるなぁ…。でも男女が一緒の布団ってまずいよね。あぁあ、どうしよう。」
真弓「(想像以上に狼狽してる…!何か、ごめん…!)」
新八「どうしよう、真弓さんが起きないんじゃ、代わりに僕が客間で…。いや、さっきまで真弓さんが寝てたかもしれない布団で寝るって、そっちの方が変態みたいじゃないか!でも、もう予備の布団無いし…。」
真弓「(このまま一緒に寝てくれても構わないんだけどな…。)」
新八「かと言って、このまま一緒に寝てしまうと色々問題がある気がする…。もし姉上がこのことを知ってしまったら?それにうちには近藤さんも不法侵入してるし、何より真弓さん自身が僕の布団に入ってきたことを覚えてなかったら…?だけど、せっかく真弓さんと一緒に眠れるのに、」
真弓「(新八くん、大丈夫かな…。一時間くらいぶつぶつ言いながら固まってるけど…。…ふぁ、何だか本当に眠たくなっちゃった。)」
新八「、真弓さんにとって僕は弟みたいな存在なのかも知れないけど、僕は、」
真弓「(新八くん、おやすみなさい…、)」

【眠れぬ夜と過ごす。】

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#03 近藤勲

真弓「(あー、昼間にちゃんとお布団干したから、ふかふかだぁ…。)」
近藤「ち、違うんだ、お妙さん…!バナナ伯爵を殺したのは俺じゃない…!真犯人は…ッ、……トシそれ墨汁じゃなくて醤油だぞ…。なに、ゴリラ法度…?」
真弓「(近藤さん、何だか変な夢見てるみたい…。)」
近藤「…そ、その毛は!……はっ!嫌な夢を見てしまった…。まさか宇宙戦争の原因が、…ん?んんん???」
真弓「(あ、起きたみたい。)」
近藤「どうして真弓がここに…。おーい、ちゃんと自分の部屋で寝なさい。」
真弓「(思ったより冷静だ。)」
近藤「…駄目か。疲れてるのかもしれないし、このまま寝かせてやるかな。……ほら、もっとこっちおいで。」
真弓「(えっ、近藤さん何か大胆…!)」
近藤「よし、あんな端っこで寝かせて風邪でも引かれたら大変だからな。おやすみ、真弓。また明日な。」
真弓「(あれ…?何か布団広くなった??)」
近藤「……。…総悟、今日は山崎の手術だな…。ラー油忘れるなよ?むにゃむにゃ、…ちょ、真弓、それは鰹節じゃなくてペットボトル…、」
真弓「(あ、もう寝てる!?っていうか、また変な夢見てる!!)」
近藤「……真弓…。」
真弓「(近藤さん、布団から出て行っちゃった。気なんか使わなくて良いのに。)」

【畳の上で眠る、その意味を。】

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#04 土方十四郎

土方「オイ、総悟テメッ!また奇襲…、なんだ真弓か…。」
真弓「(び、ビックリした…!)」
土方「どうやったら俺とお前の部屋を間違うンだよ。もう遅ェからさっさと自分の部屋に帰って休め。な?」
真弓「(んー、土方さんらしいと言えばらしいのかな。)」
土方「…起きねェか。ったく、ただでさえ男所帯なンだから、もう少し自覚ってモン持ちやがれ。…ほら、真弓。部屋に帰るぞ。…よっと。」
真弓「(きゃあ!?か、体が浮いた…!)」
土方「? …真弓。」
真弓「(お姫様抱っこされてる…!土方さんにしがみつけないから不安定で結構恐いな…。)」
土方「ンな体固くしてたら狸寝入りバレバレだからな。…チッ、あー何か手が痺れてきたから、このまま真弓落っことすかもしンねェなァ。」
真弓「(えっ、うそ!?)」
土方「……オイ、マジに落としたりしねェから腕の力弱めろ。首絞まるわ。」
真弓「(騙されたー!)」
土方「あー…、寝言とか聞けたりすンのかねェ?どこに落とされたい?自分の部屋の布団か、それとも、」
真弓「土方さん、のお布団が良い、です…。む、むにゃむにゃ!」
土方「仕方ねェな、今日はここで寝て良いぞ。…次からは一言言えよ。心臓に悪ィから。」

【落ちたのは私か貴方か。】

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#05 沖田総悟

真弓「(見付かったら怒られるかなぁ…。謝ったら許してくれるよね?)」
沖田「んー…、…ッ!?痛ってェ…!!」
真弓「(痛いぃぃ…!!寝返りした沖田さんと頭がぶつかった!何これ攻撃!?)」
沖田「ん、あ?…真弓?真弓じゃねェですかィ。こんなとこで何してんの、アンタ。夜這い?」
真弓「(大声で、違いますぅー、って叫んでやりたい…。)」
沖田「真弓…?え、マジ?寝てンの?……へェ、そうですか。」
真弓「(わ、悪い顔して笑ってるのが想像できる…。)」
沖田「ドSの布団に自ら飛び込むなんて、馬鹿な女でィ。」
真弓「(ひえぇー…、早く起きて謝らなきゃ!……?)」
沖田「……やらけー。」
真弓「(……。)」
沖田「……。」
真弓「(何だろ、さっきからほっぺた撫でられてる?)」
沖田「……。」
真弓「(いつもは全力でつねられる事が多いから、何だか不思議な感じ…。)」
沖田「…こんだけ触って起きねェなら、もっとすごい事しちまいやしょうかねィ。」
真弓「(!?)」
沖田「…何、期待した?唇震えてらァ。」
真弓「(ビックリした、唇ふにふにされた…。)」
沖田「ふぁ…こっちは明日早ェんだから、…今日はここで寝るの許可してやりまさ…、……。」
真弓「(追い出されるかと思った…。沖田さんの撫で方、優しかった…。)」

【微睡みの中の指先は真実。】

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#06 桂小太郎

真弓「(お邪魔しまー…、って小太郎いい匂いする…。)」
桂「むっ、誰だ!?人の匂いを嗅いでいるのは…!!」
真弓「(あ、しまった!バレた!!)」
桂「真弓?エリザベスかと思ったら、真弓だったか…。しかし何故ここに。」
真弓「(エリザベスと間違われた…!)」
桂「まぁ、それは置いておいて。起きろ、真弓。お前の布団は向こうの部屋だ。…狸寝入りしても見逃さんぞ、俺は。」
真弓「(いや、これは根気の勝負だ。私は負けな、)っきゃあぁぁ!?」
桂「やはり起きていたか。」
真弓「ちょっと…!もし寝てても、布団ごと引っくり返されたら落ちた衝撃で起きるに決まってるでしょ…!?」
桂「起きたなら調度いい。早く自分の布団に戻って休め。」
真弓「…けち。そんな邪険にされるとは思わなかった。いいもん、こっちにだって考えがあるんだから!」
桂「…行ったか。少々冷たかったかもしれんが、こういうのはキッチリしておかないと後々…、」
真弓「小太郎の馬鹿ー!布団こっちに持ってきたからここで寝てやるー!おやすみー!!」
桂「何ッ!?………。フッ、敵わんな。真弓、そんな端に布団敷かずに横に来い。俺の負けだ。」
真弓「いいの?…じゃあ、お邪魔します。何だか合宿みたいで楽しいね。」
桂「合宿は良いが、誰彼構わず他人の布団に潜り込むんじゃないぞ?」

【二つ並んだ親愛と独占欲。】

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#07 坂本辰馬

辰馬「…………。」
真弓「(………。)」
辰馬「…………。」
真弓「(起きる気配が全く無いなぁ…。)」
辰馬「…………。」
真弓「(こうやって頭を撫でてみても、ほっぺたつついてみても反応無いし…。)」
辰馬「…………。」
真弓「…起きないとちゅーしちゃうよー?」
辰馬「…………!」
真弓「あれ?何か今、動いた…?……?気のせいかな。」
辰馬「…………。」
真弓「…つまんないのー。今日はこれで切り上げて、また後日トライしよー。」
辰馬「…………!」
真弓「おやすみ、辰馬ー……って、え、あの、肩、」
辰馬「戻るがか…?」
真弓「ど、どうしたの??…あ!寝たフリ!?どこから起きてたの!?」
辰馬「うん?真弓が部屋に入ってきたところからじゃな。」
真弓「ちょ、だったら教えてよ。完全に騙されたー。」
辰馬「真弓に触られるのが気持ち良かったきに、ちっと堪能したかったんぜよ。…ちゅーはしてくれんかったけど。」
真弓「待って待って辰馬?顔近いよ?肩離して??たた辰馬ッ!??」
辰馬「ふはっ、冗談じゃ冗談!えい抱き枕じゃー…。今日はこれで切り上げんと、後日もトライして欲しいぜよ。」

【捕まえて逃がして、捕まえて。】

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#08 高杉晋助

真弓「(お、良かった、晋助もう寝てるみたい…。)」
高杉「………。」
真弓「(晋助って、意外なくらい寝相良いのよね。育ちの良さとかも関係あるのかな?)」
高杉「ん……。」
真弓「(わわ、寝返り!こんなに近くて向き合うのって何だか恥ずかしいな…。それにしても、ちょっと胸元開きすぎじゃない?寝てても妖艶というか、色気がすごい…。この鎖骨とか喉仏を接写したら、また子に高く売り付けられそう…。)…っ!?」
高杉「………。」
真弓「(晋助の手が胸に…っ!偶然だって分かってるけど、な、なんか…触り方がっ…!)」
高杉「………。」
真弓「(うそ…!そ、そんな所までっ!?あ、あ、このままじゃまずい…!!)」
高杉「……オイ、真弓。避けンなよ。」
真弓「えっ、晋助!?起きてるの!?ちょ、やだ…!」
高杉「ヤダじゃねェよ。そのつもりで来たんだろ?」
真弓「ちがいますー!純粋に添い寝したくて来たの!あとビックリさせたかったの!」
高杉「…その気がねェのに布団に忍び込んで来た事実には驚いてるぞ。…これで満足か?」
真弓「そうじゃないぃー。晋助の馬鹿ー。そんなこと言う晋助の腕なんか、こうしてやる!!」
高杉「真弓、重てェよ。…はぁ、もう好きにしろ。」
真弓「(そんなこと言いながらも、私がする事いつも許してくれるのよね。)」

【腕枕で君を支配している。】


end

 
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