番外編 | ナノ
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よろしい、ならば、 (1/4)

    
  
   

  

「レオ!」

「んー?」

「ジョーイさんから“ハナビ”という火薬を貰ったぞ!」
「……あー、うん、火薬……間違っちゃいねーか……」

「それでだ、レオ!」
「ん?」

「“ハナビ”というこの道具は、バトルのどの場面で使えば効果的か話し合わないか?」
    
「…………ん? あれっ?」





どうやらナミは、花火というものを知らないらしい。
それを悟ったレオは少し苦笑をしながら、キラキラと星のように瞬く光を宿した瞳を向けてくるナミの抱える、それを受け取る。
ジョーイさんが先程1階で配っていたらしい、それは彼の瞳には未知のものとして映り、ついついお使いを忘れて貰ってきてしまったようだ。……ナミには確か、飲み物の買い出しを頼んだつもりだったんだけどなぁ……。
しっかりもののナミの珍しい失態に、笑み1つで許しながら、レオは受け取った四角い袋に詰まった花火を見る。むしむしと暑苦しく、人々が扇を片手に涼み始めるこの季節、コンビニのような役割を果たすフレンドリーショップをはじめ、様々な店で売り出されている花火。その中で、この花火は一般的な量である。

今日も例外なく、蒸し暑くサウナのようなここ、ポケセンの一室で、レオは花火を片手にどうしようかと一瞬だけ思考を巡らせた。その間に、後ろでユウが『僕のコーヒーはぁ?』とナミを困らせてながら、ソファーでゴロゴロしていたので、打ち上げ花火を袋から取り出して投げ渡す。
あ、ありがとぉー……ってコラ! これを飲めって!? お腹爆発するよぉおぉおおおおお?! ユウくんうるさーい。 ……ん、ライター……。 無理無理僕死んじゃうよ!? もう死ねお前うるせぇ。 うわぁあーーん!

「あーあのなー、ナミさーん」
「なんだ? レオ」
「うん、とりあえずあの騒がしい奴等を黙らすのは結構なんだけど、冷凍ビームはヤメヨーネ」

彼の怒った顔は、可愛い筈なのに陰る途端、溢れ出るオーラと冷気。それを纏った瞬間の迫力が半端なく、アイク、ユウ、サヨリが素直に黙る。ユウに至っては真っ青であり、アイクとサヨリが静かに鼻で嘲笑っていた。



    
    









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