初詣
1月1日元旦。今日は朝早く起きて、私の地元さある神社さ初詣さ来ていた。なんで地元の神社なのかと言うと、ちっこい頃からお世話さなってたからと、むっちゃんたちに会えたことへの感謝を伝えるためだったり。
んで、この初詣さは刀剣男士たちも来てて、本丸を代表してむっちゃんと国広くん、じいちゃん、伽羅ちゃん、ごこちゃん、今つるちゃんの6人が一緒に来てくれた。
「物凄い人の数じゃの。ちっくとでも気を抜くと、逸れてしまいそうじゃ」
「確かに! 主さん、逸れちゃダメですよ?」
『なんで私?』
一応ここ地元だし、抜け道知ってるから大丈夫だとは思うんだけど……。そう思いながら首を傾げれば、溜息を吐かれた。酷い。
「あるじさま、ぼくたちはかたなですからにげることができますが、あるじさまはにんげんです。なにかあったらだめなのでぼくたちのそばにいてくださいね?」
「は、逸れちゃったら僕、僕……グスッ」
『わーっ! わかった! そばさいっから、からごこちゃん泣かねでっ!?』
もしものことを考えてか、不安になったごこちゃんが泣き出してしまって慌てて抱き締める。短刀の付喪神で私よりも年上だとしても、見た目は子供。他の刀剣男士たちもだけど泣く姿は見たくないからね、逸れないようそばさいると約束した。そうすれば、「えへへ」と笑顔を見せてくれるごこちゃん。
この子、いつの間にずる賢くなったんだべ?
「……主、さっさと終わらせて餅食うべ」
『んだね。みんなは何食いたい?』
「ぼくはきなきなこもちがたべたいです!」
「僕は生姜醤油ですかね」
「ワシは磯辺焼きが良いぜよ!」
「ずんだ」
「ぼ、ぼくもずんだが良いですっ」
「俺はなんでも良いが、納豆餅を食いたいなぁ」
『ん、わがった』
お正月といえばお餅だべね。実家さいた時もたくさん作って食べたのを覚えてる。だからってわけじゃないけれど、みんなにも同じように食べてもらおうと思って、こっちさ来る前に料理できる宗三さんと歌仙さんさもち米炊いててってお願いしてきたんだ。もち米炊いたらつかないといけないけれど、機械があるからすぐに出来る。それに、ずんだもすぐに出来るから問題はない。
そう思いながら階段を上ってけば、お賽銭箱がある拝殿さ着いた。
『はい、ごこちゃんと今つるちゃん。伽羅ちゃんたちは小銭、持ってるべか?』
「おん、持っちゅうぜよ!」
「問題ねがす」
「大丈夫です!」
「うむ、持っておるぞ」
『んじゃ、お参りして行くべ』
お財布から小銭を出してごこちゃんと今つるちゃんさ渡して、むっちゃんたちが小銭を持ってるのを確認してから拝殿に一揖してお賽銭を入れる。良いご縁があるように、と5円玉を4枚。ごこちゃんと今つるちゃんも同じ5円玉4枚をお賽銭箱に入れたようだ。んで、二礼二拍手一礼してまた一揖する。確かお参りはこれで良かったはず。
「おわりました!」
「ぼ、ぼくもっ」
「ワシらも終わったぜよ!」
『んで、帰っか』
お守りは石切丸さんが作ってくれてるし、絵馬も書かなくても良いだろうし。そう思いながら本丸さ帰ろうとした時、後ろの方から名前を呼ばれた気がして振り向いたら、遠くに就職した幼馴染がいた。
『わああ! ゆきっち、久しぶりだなや! 元気だったべが?』
「元気だったよ! 卒業以来だっちゃな! って、おま、いつの間に子っここさえたの!? つか、男侍らしてんの!?」
『子供でねがす! んで持って侍らしてんでねえがら! あと、仕事上皐月って名乗ってっか、それでよろしく!』
ぎゃいのぎゃいのと騒ぐように突っ込んで来る幼馴染。相変わらず元気なようだ。
「仕事で名前変えるって、あんだ、どんな仕事してんの?」
『ん〜、口外できない仕事だべね?』
「はっはっはっ、上からきつく言われておるからなぁ」
「うっわ、イケメンの声もマジイケメンっ!! こんなのと一緒って、皐月羨ましいんだけんどっ!!」
羨ましいって言われても、私だって最初のうちは驚いたよ。もう慣れたけど。
それから近況報告とかを話をしたりして、話に花を咲かせる。私の方は詳しくは話せないけど、転職したことを話した。んで、幼馴染の方は好い人が見つかったみたいで、今度親と顔合わせするらしい。喜ばしいことだ。
しばらく談笑して、そろそろ良い時間だからと幼馴染と別れて私たちは本丸さ戻った。そのあと餅をたくさん作って、みんなで楽しく食べたのだった。
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