ツイッターなどでつぶやいたコネタ置き場。
基本夢主のデフォ名で、変換はないのでご注意ください。


||| plus alpha

【「かわいい。」】

「……かわいい」
ぽつりと彼女は呟いた。
俺に向かって。さらに言うなら、俺の掴んだ小さな蛇に向かって。
「三郎、その持ち方はかわいそうだからこれに入れてあげて」
「お、おう……」
どこかきらきらした目で、そしていつの間にやら用意した虫カゴの蓋を開ける朧。
それにびっくりしながら、忍たま長屋に出た蛇をそっと籠の中へ移した。
「あんまり顔近づけるなよ」
「わかってる」
そう言いながらも、彼女は蛇に夢中だった。
じいっと。これまた熱い視線を送るのである。
目の前には大事な恋仲がいるというのに、この様子。
「えい」
「あっ」
不意に沸いた嫉妬心に、俺は彼女からカゴを取り上げてそれを彼女から取れないだろう位置まで持ち上げた。
「ちょっと、三郎!」
「毒はないみたいだが、このままこの籠の中にいさせるってのもかわいそうじゃないか?」
それとも飼うつもりか、と俺は少しばかり冷めた目で彼女を見る。
「……飼う、わけにはいかないわ」
「だろうな」
彼女がいるのはくノ一教室。
くのたまの中には蛇やカエル、爬虫類が苦手なものも多い。
そして何より、彼女にはこの蛇以外にも世話をしないといけない生き物たちがいる。
「蛇なら生物委員会で扱ってるだろ?」
「……ほとんどは孫兵のペットだもの」
少しばかり拗ねたような声で、言い訳のように口をとがらす。
それをかわいいな、と思いつつ。
「でも飼えないならはやく逃がしてやろう。あんまり人に慣れ過ぎてもよくないだろうし」
いかにもな理由を口にして、俺はとにかく彼女の興味がこの蛇から逸らしたかった。
「……うん」
しょんぼりとしながら歩き出す彼女。
罪悪感を覚えたので、蛇を逃がしたあと後ろから抱きしめたら腹に一発喰らいました。

(でも元気が出たようなので結果オーライ!!!)



Jun 08, 2014 00:01
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