厄介な事になった…それが正直な感想だった。
これでは役立たずを旅に連れて行けと言われた方が何倍良かったか…


「ジープ、俺は?」
「悟空っ」
「じゃあ私は?」
「翠花っ」
「僕の名前は覚えてますか?」
「八戒っ」
「俺は?」
「悟浄っ」
「「「「じゃあ、あそこに居るのは?」」」」
「……き…ゅうー…」


昨日から唐突に話し出したジープに何が楽しいのか次々と言葉を教える奴らに何処かで『バカじゃねぇのか』と呆れる
これから育って行く赤子ならばまだ百歩譲って話は分かるが、一週間…正確には後五日で竜に戻るヤツを相手に言葉を教えても何の得にもならないだろう…けれど


「さ…」
「さ?」
「頑張れジープ!」
「さん…」
「お?言うんじゃねーか、これ」
「ジープ ゆっくりでいいですよ」
「さ、ん…………じょー?」
「…………」
「「「「…ぷっ」」」」


AM.11:37
宿屋の一室から堪らないという様な大きな笑い声が響いた






ミモザの初恋
4.おるすばん






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