詩に曰く
混沌未だ分かれずして 天地乱り
茫々渺々として人の見る無し
開闢して茲従り清濁辨る
群生を覆い載せて至仁と仰がれ
万物を発明して皆善と成す
造化会元の功を知らんと欲せば
須らく看よ、西遊釈厄伝
「…なんてな」
………誰か…
「ああ いい風ですねえ」
………誰か…
助けて……
「…………フッ…」
『お前は 誰かの太陽でいられるか?』
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…その喧しい生き物と出会ってからは
すこぶる調子が悪い
まず最初に 眼と首にキた
目を離すと何をするか判らないってのに
ちょこまかちょこまかとよく動くからだ
次にノドと腹筋が痛くなった
声を張り上げるのは結構腹にくるんだと初めて知った
その後は足だ
ヤツはコンパスが短いくせに逃げ足は異様に速い
最近よく ふくらはぎの辺りがツって夜中に目覚める 畜生
肩も凝る
なんせ俺の腰までしか背のないチビなのに
無遠慮に見上げてきやがるから 仕方なく視線を合わせてやる
それから
…………それから。
『damdelion』
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