21.鎖骨



何時も旅を共にしている仲間というのは、下手な家族よりも相手の色々な事を知ってしまったりする。
例えば癖や好きなもの、些細な体調の変化や、後は……後は…ーーー


「おい、クソ河童」
「うぉ!?な、何だよ…」
「さっきから翠花の胸ばっか見てんじゃねーよ」
「み、見てねーっつーの!!」
「どうだかな」


フイと視線を逸らした三蔵に内心で悪態を吐きながら、それでも翠花達にこの会話が聞こえなかったのは不幸中の幸いだと思った。
大きくため息を吐いて、再びチラリと視線を投げる。
確かに自分は胸元を見てはいたが、どちらかというと胸というより、まるで雪みたいな白い肌と綺麗な鎖骨に眼が奪われていた…ガキだガキだとからかってはいても、やっぱり彼女も女で、まだ幼いながらも女の色香の片鱗がそこからチラリと見えた気がした。





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