学校からの帰宅途中で忘れ物に気づき、それを取りに戻った私は薬剤散布の為に全生徒帰宅で珍しく人気がない校舎内で上半身が殆ど丸見えの女性(?)に出会った。
それだけでも大事件だっていうのに、その上信じられない事に床が沈んで水の中へと引きずり込まれ、死に物狂いで漸く浮上すればそこは天界とかいう場所で、混乱する私の前に再びあの女性(?)が現れて今度は見ず知らずの四人の男達との旅をしろと言う。
しかも返事なんかする前にやっと抜け出した池に再び勢いよくダイブさせられ、漸く水を抜けたかと思えば今度は水ではなく空から地上へと命懸けの強制スカイダイブ。
運良く(?)当の四人らしき人のジープに拾われるも、落ちた下に居たのは般若の様に恐ろしい金髪の顔はいいが口の悪い坊さんで、街まで連れて行って貰う筈が出会って早々に口論してジープを降りてしまうわ、ジープはマジに私を置いて行くわで結局そのタイヤ跡を道標に街に着いたのは日暮れだった。
そこから運良く住み込みのバイトを見つけるも、店主自慢の家宝を壊し速攻クビになり居づらくなった私は野宿を覚悟で街を出て、偶然に人とは思えない生物が女性を殺す場面を目撃、必死にその場から逃げ出した先に居たのは幸か不幸かあのジープの四人組だった。
けれど助かったと思ったのも束の間、先ほどの良くわからない人の形をした人達が私達を襲って来た…それだけでもいっぱいいっぱいなのに対峙した四人はそれをものともせず、ただ機械的に人の形をしたソレを殺して行く
そして、その異形の者を目の前にした私に金髪坊主は銃を渡すと言ったのだ


『殺せ』と。



殺さなければ殺される。
そんな状況下で私はただ無我夢中で生きる為だけに初めて、人を…人の形をした生物を殺した―――







6,常識と非常識の境目





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