ガウンと銃声が響く。
眼前には倒しても倒しても際限なく現れる妖怪達。
生身のソレも確かに居たが、大半がその身体を砂の塊と呪符によって造られた式神であるのは理解していた。
これでは一体一体倒すより術者を始末した方が早い…
そう思って視線を巡らせるも、眼前は妖怪の群ればかりだ。
しかしふと、見られている気がして空を仰ぐ。
遠い屋根の上、長い黒髪をなびかせた影が見えたが、余所見をしている場合ではなく視線を戻す。
しかし、やはり気になって再び眼を向ければ、既にそこには男の姿はなく…
不意に背中に軽い衝撃を受けて、眼を向ければ八戒が三蔵と俺を呼んだ。


「これではキリがないです…もういっそ」
「あぁ、わかってる」


このままこの街を出る。
最終手段だが、仕方がない。
しかし、その前に…


「あのバカを連れ戻す」


言って、目の前の妖怪に銃弾を撃ち込む。
一瞬振り仰いだ空は、そのバカ娘の髪みたいに清々しいブルーだった。




Westward Story Extra chapter 1
【The city of Albino belief】
scene.5





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