「……せーーーのっ」


ジャラっと音を立てて机に置かれた小銭と札、それを見て…


「………」
「マジで?」


現実を思い知った


「あと残りこんだけかよ……」
「安宿なら賄えそうですけど 問題は明日からですよね」


悟浄は頭を抱えて机から天井へ現実逃避、八戒は言って考え込んでしまう。
それはそうだ、考えてみれば俺達はいつだってカードで買い物や支払いをしていた。
それは勿論、三蔵が管理している…
三蔵が居ない今、この事態は予測の範囲内だった訳で……


悟空の後ろを料理が運ばれていく……


「見んな。見たら余計腹減るぞ」
「もーーー遅いって…」


言って眼を覆った悟浄の手は悟空の腹の虫の音に無意味と化す
そんな二人の前で八戒は『今後を考えるとやはり これを増やすしかありませんね』と言って…


「こんなちっせえ町に賭博場なんてあるかァ?」
「誰も元手にしようなんて言ってませんよ 地道に稼ぐんです」


悟浄の言葉に八戒はキッパリと返す。
そんな彼の前に座る二人は


「〜〜〜ええッ 働くの!!?」
「あーパスパス 俺達そーーゆーーの駄目な人だから


言って……


「……つまり こういう事ですか」


その声に思わずビクリと身を引いた
見やる先には、とてもとても……黒いオーラが漂っていて…


「いい歳をしてまともに働いた事のない男二人を食わせる為 僕に身売りでもしろと」
「〜〜〜うそうそ嘘ですッ!!!」
「なんでもさせて頂きます!!!」


……身売りって…そこまで言ってないだろうよ、と内心で思いながら言った二人に八戒は、何事もなかったかの様に『そうですか 助かります』と言ってニッコリ笑うと


「先立つ物がないと身動き取れませんよ」


言って


『――この先僕らがどうするにせよ』


小さく呟いた。






『オアシス〜〜』





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