カラスが鳴くと不吉が起きるという。
「……アンタはあちらさんと行きたかったんと違うか?」
森の中、三蔵達と別れたヘイゼルはガトにそう尋ねる。
「邪魔か。」
「そない言うてんちゃうがなッ」
「じゃあ何を怒っている?」
「怒ってへんわ!!」
だが返って来たのはそんな言葉で……
ヘイゼルは『阿呆くさ』と呟くと、一つ溜め息をついてガトが訳の判らないまま『すまん』と謝った……
刹那…
バサバサとカラスが一斉に飛び上がって……
「………遠路はるばる…『桃源郷』へようこそ天使ちゃん?」
「アンタ……」
現れたのは……
「烏哭はんやないか…!!」
暗闇の様な……男だった。
『異色の街〜違和感〜』
- 1/5 -
[*前] | [次#]