朝、荒木荘にて



「夢主この豚汁の味噌濃いぞ」

「うるさいDIO!文句あるなら食べるな!てゆーか朝ご飯ならみんな自分の部屋で食べてよ!何で私の部屋にわざわざ来て食べるのよ!」

「家賃に食費加算して払ってるからいいだろ」

「そういう問題じゃないの!」

「そんなこといいながらもちゃんと全員分の朝ご飯作ってくれる夢主が俺は大好きだぞ?」

「うるさいディアボロ!ご飯は口閉じて食べなさい!」

「むぅ……」




「ご馳走様」

「あ、吉良さんご馳走様です。あれ、食器私が片付けますよ?」

「いや、大丈夫。それより、ネクタイを締めてほしいんだが……」

「ネクタイですか?それなら大丈夫ですよ!まっかしといてください!」

「ああ、助かる」

吉良さんのシャツの襟を立ててもらい、首にネクタイを通す。
ほぼ毎日吉良さんのネクタイを締めているので、ネクタイ締めは慣れたもの。だがこのネクタイ、私からすると趣味が悪すぎる。こう思ってるのもしかして私だけ?みんなこのネクタイに何も言わないし……
そんなことはともかく吉良さんの視線が気になる。この性的な視線さえなければこの人がここの好感度ぶっちぎりで一位なのに、ディオといい、ディアボロといい、カーズといい、ここには残念なイケメンしかいないのか?
あ、プッチさんはちょっと電波入ってるけどまともな人だからノーカウント。矛盾なんてしてないよ。
しかしそんなにじろじろ見られると手元が狂ってしまいそうだ。キュッと絞めてしまいそうだ、首ごと。

「ぐえっ」

「おっと手元が」

ああ、考えている最中に手元が狂ってしまった、いけないいけない。

「はいできました、あとこれお弁当です」

「あ、ああ。ありがとう……何か悪意を感じるんだか……」

そんなことあるですよ。うふふ。
あっ、もう、やだあ、吉良さんたらあっ。そんな目で見ないでくださいよおっ。照れるじゃないですかあっ。

まあ、こんな恥ずかしい台詞絶対口に出して言ったりしないけどね。言ったら恥ずか死ぬし。

「じゃあ、そろそろ。夢主さん。行って来るよ」

「はいはいいってらっしゃ、へ……!?」

吉良さんに手を取られたと思ったら、手の甲にキスをされていた。な、なにを言って(ry
というかふざけてられるレベルじゃないぞこれは。こんな美男に手の甲にキスとか誰だって顔真っ赤になるよ。

「な、な。い、いきなり何するんですか!」

「ふふ、怒った顔も可愛いな」

「よ、余計なこと言ってないでとっとと会社行ってください!」

「そうだ!さっさと行け!私の夢主に手を出しやがって!死ね!」

「ああ、分かった分かった。夢主さんいってきます」

「い、いってらっしゃい……」



ああ、朝から疲れる……なんでこんなに心臓酷使しなきゃいけないの……。