参考文献 | ナノ ■参考文献■

裏夢の基本的なコンセプトです。
恐れ多くも管理人の大好きな作詞家・なかにし礼氏の文献から引用させて頂きました。
管理人の嗜好がそのまま見事に説明されています。

↓以下引用文です。


女の弱みにつけ込む事がどうやら男は好きなようだ。力で有無を言わさず女を屈服させる事はそれだけで大きな快感なのかもしれない。そしてまた、力に負けて操を捨てる時の女というものはこの上なく色っぽい。

そこで正直に言うのだが、男にとって、惚れた女と結ばれる方法なんて、全くどうだっていいのだ。よくプロセスを楽しむ、などという男がいるが、それは口説きが成功したからこそ言えるのであって、失敗したとなったら思い出すのも腹立たしいに決まってる。要は結ばれる事なのだ。そのための入口なら、裏口からだろうと窓からだろうと一向に構わないのが、男の本音である。だからといって、それが純愛でないと誰が言えよう。

弱みにつけ込むと言うのは一種の取引である。取引する女は、すでに娼婦に他ならない。となると、力に屈服させられた女が色っぽく見えるのも故ないことではない。

屈服→取引の成立→売り物買い物→娼婦→堕落→恥→精神なき肉体→所有物→快楽の道具→エロティックな裸体。というイメージの連鎖反応が成立するからだ。

色っぽさは娼婦の専売特許である。あとの女は娼婦の真似をする。

<恋愛は売春の趣味である>(『赤裸の心』堀口大学訳)とボードレールは言う。人間なら誰だって、恋をしたら、無意識のうちに、相手と取引をしている。

逆説的にいうならば、取引の成立こそ男の甲斐性と言えるのであって、女の意志によって名指しにされるほど屈辱的なことはない。

いやあ、モテちゃってねぇ、などと言って、タダで遊んでいる男のバカ面は実に許し難い。


───なかにし礼・金で買う(ピアノレッスン)より抜粋

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