最強のプレイヤーと競いたい。それが風丸一郎太の望みである。スポーツをやっているものなら誰でも望んでおかしくない目標だ。最強のプレイヤーと競い合って己の力を確かめる、向上させる。それを望んだ。
 陸上でも果たせただろうその願いは、サッカーという舞台でも果たされていると思う。なんせ、自分たち雷門イレブンは日本一になったのだ。一流のプレイヤーたちと戦った、競い合った。その結果の日本一だ。目標は達成された。
 否、違うと思う。日本一になったが、まだまだ世界には強いプレイヤーがいるはずだ。そんなプレイヤーとも競い合ってみたい。そう思った。
 ところで、風丸にとっての一流のプレイヤーは、最強のプレイヤーは誰なんだろうか。ふと、風丸は思った。誰が、自分にとっての一流で最強か。
 天才司令塔の鬼道か、それとも最強FWの豪炎寺か、フィールドの魔術師一之瀬だろうか。
 どれも違う気がした。風丸が競いたい最強のプレイヤー。
 円堂ならなんというだろうか。誰でもいいんじゃないか、なんて言いそうである。


(円堂…。)
(オレの放ったシュートを受け止める円堂…)


 ふと頭をよぎった映像を打ち消す。
 円堂は味方だ。味方にシュートを打つなんてありえない。一体今の考えはなんだったんだと思いながら、別の思考を始める風丸。

 この時はまだ知る由もない。将来最愛の彼にボールを向けるだなんて。


垣間見る夢






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