いちわ


私の名前はハイト・アヴィ

年は19歳、下町の有名人ユーリと付き合っていてしかもいっしょに住んでいる。

まあ普通の生活をしている普通の人間だ。




朝目覚めると体に異変。

違和感を感じるのだ。

ベッドの上に寝そべっている私の隣にはユーリの眠っている姿。まだ目覚めそうにもない。

私は体の異変に気付かないまま彼に手を伸ばす

あれ?

おかしい…距離が、遠い?

手をいっぱいのばしてはじめて彼の頭に触れる。視線の先に自分の手。

小さい?

いつも見る自分の手ではない、異変の正体はこれだろうか?私の手と思われるものは以前の私の手よりも小さく、ぷっくりしていてそれにとてもすべすべ。幼児のような手だ。

幼児のような…?

私はベッドから飛び起き、ベッドをでて鏡を見た。


『わ…若返ってる…!』


思わず自分の顔をぺたぺた触る。

幼い私が目の前にいる。年は…3、4歳くらいの完璧なる幼女になっている

どうしよう…これはこまった…どうしてこうなった

私は混乱している

こんな姿ユーリに見られたくない…!絶対嫌われる…!

隠れなきゃ…


「…ハイト?起きたのか…」


ヤバイ、ユーリ起きた…!!


「…ハイト、いないのか?」


ユーリがベッドから起きてあたりを見回している


「なんだあ?」


ユーリが私に気付いてこっちに向かってきた


「どっから入ってきたんだよ、名前は?」

『……』


私はユーリにバレルとマズいと思い、何も声を発することはできない。


「おい」

『わあっ!』


ユーリは私を抱き上げて私の顔を見てしまった…。これは絶望的としか言いようがない。


「おまえ…!」

『お、はよう…ユーリ…。』

「ハイト、か…?」

『そうみたいですよ?』

「か…」

『か…?』

「かわいい!!!」


はい?!
彼から思いもよらぬ言葉が出たので私は絶句。


「おま…!これは犯罪だろ!かわいすぎだろ…!」

『ちょっと、まって…!』

「やわらかっ!あ〜ハイトかわいい〜!!」

『ユーリってロリコンだったの?!』

「お前限定でな」

『こわいこわい!放して〜』

「いま暴れてもかわいいだけだぞ」

『このロリコンー!』

「ロリコンで結構
いつものクール系美人のハイトでも俺はイケるが、幼女のハイトもいいな」

『いいなってなに!やだよう』


じたばたと暴れても、今は幼い子供の姿。当然、大人のユーリに敵うわけもなくおとなしく彼の腕に収まることにした。


「おとなしくなったな」

『ユーリが放してくれないから』

「わりぃ、かわいくて、つい、な?」

『へんたーい』

「へんたい言うな、お前限定っていったろ?」

『ユーリがロリコンだったなんて』


でも、この姿を見られて失望されて嫌われるよりはマシなのかなあ?


「メシ食べんだろ」

『え?うん!食べる…!』


おなかをすかせていた私にはうれしい話である。朝起きてまだ何も食べていない、体が子供だからと言っておなかがすかないわけではないのだ。


「ちょおまえ」


ユーリは私の顔を見るなり、急に自身の顔を赤らめ私をぎゅうっときつく抱きしめた。意味がわからない、けど、きっちり鍛えられた彼のたくましい体に包まれることはなかなか苦しいものであり私はユーリの胸を叩いた。

それに気づいたユーリは腕の力を緩めて、私の顔をみてこう言った。


その笑顔は
反則だろ

(ユーリって誰だっけ)

.


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