かっこよすぎる


ユーリはかっこいい。

なにをしていてもかっこいい。

言葉を発することも、闘う姿も、仲間を守る姿も、正義を貫く姿も。




「なにぼっとしてんだよ」

『ユーリってかっこいいよなあって思ってたら見とれてた』

「なんだそりゃ
さっさと出発すんぞ」

『はーい』


こうやってみんなを引っ張っていく姿もかっこいい

ユーリは本当にどこを取ってもかっこいい

私はそんなユーリが好きだ


『ユーリ』

「あ?」

『ユーリはやっぱりかっこいい』

「ほめたってなんもでねえぞ」

『素直な感想でーす』

「そうかよ」

『照れないの?』

「十分照れてるよ」

『嘘だあ〜』

「はいはい」


ユーリはこうやってかっこつける、でもそこがまたかっこいい。ずるい。こんなにもかっこいいユーリに私はいつも胸がドキドキしている、いや、させられている。

ユーリばっかり、私をこんなにも緊張させる。ユーリも私のこと意識してくれればいいのに、ドキドキしたらいいのに。


『ユーリのばかー』

「今日のハイト変だぞ?」

『ユーリには一生理解できないんだ』

「何をだよ」

『ユーリはかっこよるぎていっしょにいるだけでドキドキするよ』

「それ、本人に言うことか?」

『だってユーリは誤魔化しちゃうんでしょ、どうせ』

「そうだな、じゃあ俺はハイトがかわいすぎていつも緊張してるって言っておくよ」

『心にもないことを』

「どうだろうな」


そんなの期待しちゃうよ

やっぱりユーリは


『ずるいよ』

「お前こそ、俺の気もしらねーでかっこいいとか言うなよ、期待すんだろ」

『は?』

「そーゆーことだよ」


なんて彼はかっこつけてそう言った。



『ユーリ…』

「な、なんだよ」


あ、今照れた


『照れたユーリはかっこいいより、かわいいだね』

「うっせ」

『それでもいつでもユーリはかっこいいよ』

「んで?人の告白は無視か、ハイトさんよ」

『あ、やっぱり今の告白だったんだ?ユーリらしい』

「そうやってかわすのもお前らしいな」

『かわしてないよ、ただ…』


私の心臓は張り裂けそうなほどドキドキしている。私はユーリが好きだ大好きだ、だから答えなんて決まってる。


「ただ?」


緊張して


『言葉が…でないよっ』

「ははっ」


彼が急に笑い出した。どういうことだろうか。私はからかわれたんだろうか?


「ハイト、お前かわいすぎ」

『な、にが?』

「まあ、いますぐ応えだせとは言わねえ
いつもで待ってるよ」


ユーリは私の頭を撫でた。子供扱いされてるみたいだったけど、嫌ではなかった。寧ろ心が落ち着く。いまなら言える。


『ユーリ、私』

「ん?」

『ユーリのこと、すき』


ユーリの目を見ては言えなかった。彼がいまどんな顔してるのかはわからないけど私の顔は完全に真っ赤。だからユーリ見上げるることなんてできない。

そんな私を察してなのかはわからないけどユーリは私を抱きしめて耳元でこう言った。


「知ってる」


顔なんて見れなかった

それでも言えることはある

今とても幸せであること

そして

ユーリはかっこよすぎるということ。


END


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