愛の言葉を知らないふたり IF【神殺しの世界】

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IFの世界観なので「愛の言葉を知らないふたり」の本編とは違う設定が付加されたり、違った関係が構築されている可能性があります。


【神殺しの世界】はがっつりファンタジーです。

くっつく前のエピソードが色々あったり、紆余曲折の内容は決めていますが、
書きたい部分だけをピックアップして書いています。

本編との大きな違いは康介(や子供たち)が家事をしているところです。
本編では弘文が八割レベルでしたが【神殺しの世界】は康介と子供たちがメインで家のことをしています。


IF:神殺しの世界【康介は処女受胎?】

 弘子が急に泣き出した。
 夜中なので村にいる医者を呼び出すか迷う。
 いつでも声をかけていいと言われているので、オレは気にしないが弘文はその働きに応じた何かを返そうとする。
 弘子の状態に役に立たなくても村からわざわざ山にあるこの家に来てくれた労力に礼を言う。
 間違ってはいないかもしれないが、医者を呼ぶことを躊躇する理由にはなる。
 
 弘文が「どこか痛いのか?」と優しく聞きながら弘子の背中をさすった。
 
 貴族なのに弘文の実家は孤児院を経営していた。
 幼いころから親のいない子供たちの面倒を見ていた弘文は子育てに慣れている。
 子供が急にぐずることなどよくあることだと思っているのか落ち着いていた。
 
 火と水という相性が最悪の二種類の精霊に好かれて、大変なことになっている弘子にも普通に接している。
 
 胎児の状態で精霊と契約する人間は、人の世界ではない場所で生きるのがふさわしいとして産んだら山に放置する。すると精霊や妖精が幻想界に連れて行って育てるというのだ。
 もちろん、弘文がそんなことをするわけもなく、オレたちは山の中で家族六人で暮らしていた。
 
 精霊と契約しているのは、弘子だけじゃない。
 長男である鈴之介と次男である弓鷹と次女である深弘もまた精霊と契約を交わしている。
 それぞれ、鈴之介は光、弓鷹は闇、深弘は音だ。
 
 基本的には、五大元素である「木」「火」「土」「金」「水」が一般的な精霊だ。
 鈴之介が光の精霊と契約済みで生まれたときは、世界規模の騒ぎになった。
 次男の弓鷹が闇の精霊と契約していたことで、弘文とオレの子は一般的な普通じゃないと認識された。
 
 この世界における精霊の役割とは、祝福だ。
 
 鈴之介が薄暗くて困っていると光の精霊が明かりを提供してくれたり、部屋を暖めてくれる。
 光にはヒーリング効果もあるようで、ちょっとした切り傷は鈴之介の光の下に居ればすぐに治る。
 長年の腰痛に苦しんでいたらしい老婆もオレたちの家に訪れるようになって、痛みは消え、若返ったという。
 よくわからないなりにプラスの効果がとても多い便利な精霊だ。
 
 弓鷹の闇もいろいろと使えるはずだが、今の段階では鈴之介が光り輝きすぎている時の落ち着け役だ。
 
 精霊とは、徳の貯金と言われている。
 二十歳以降に今までの生き方を考慮して、契約しにきてくれる。
 祝福を与えてもらうために人々は清く正しく生きるのだ。
 
 弘文は未契約にもかかわらず、世界中の精霊たちから祝福を得ていた。
 勇者言葉でチートと言うらしい。ズルだ。
 オレは神の供物として生きていたので精霊から契約の誘いを貰ったことはない。
 
 この世界にはいくつかの宗教があり、とりわけ大きなものが創造主を崇めるオレの実家だ。
 
 オレは十八の誕生日の日に十八人の男から犯され、腹を引き裂かれることになっていた。
 下鴨の当主には精液まみれになったオレの子宮から子供を作り上げる秘術を用意しているらしい。
 なぜこのような儀式で跡取りを作り出すのかは伝承として残っていない。
 当主とは教祖なので、神秘的なものでないといけないということかもしれない。
 あるいはオレは神の供物なので、神に捧げられた肉を使って跡取りを生成するのはよくないという考えか。
 
 弘文はオレに待ち受ける未来否定した。
 
 十八になる前にオレを孕ませ、儀式を行わせないように前提を崩した。
 儀式は人々の気持ちを落ち着かせるための物なので、儀式を行わないと呪いが発生する。
 オレと子供は呪われて苦しんで死ぬと散々言われたが、問題なく元気だ。
 
 呪われないように弘文が手を打ってくれたからでもあるのだが、オレは一方的に助けられてしまった。
 
 世界一の宗教の次期教祖が自分の息子というのは、誇らしいことだろう。普通なら。
 弘文からすると鈴之介が持つ肩書きに意味はない。
 鈴之介の人生の選択が狭まっていることに申し訳なさすら感じているかもしれない。
 オレと関わったことも、オレを助けたことも、弘文にとって価値がない。
 
 一時はひどくこの現実に落ち込んだものだが、今は受け入れている。
 
 左手の薬指にはめられた指輪は弘文の実家の作法らしい。永遠に一緒に居ることを誓うための環。
 弘文は過酷な未来へ向かうオレを哀れんだわけじゃない。
 オレを独り占めするためにオレの未来を書きかえたのだ。
 言い分が勇者よりも格好いい。
 
 弘子の背中をさすっている弘文の格好よさに見惚れていると視線で合図をされた。
 
 鈴之介と弓鷹を連れてきて欲しいのだろう。
 気持ちはわかるが弘子がオレの服をつかんでいるので動けない。
 服の裾を指さすオレに舌打ちをしそうになる弘文。
 
 弘文は山賊狩りをしていたこともあって柄がよくない。
 山賊を狩るには一度山賊になり山賊としての考え方や行動を学ぶ必要があった。
 弘文は勤勉なので、山賊に成りきることなど簡単だった。
 山賊を狩ったあとも柄の悪さが残るほどだ。
 
 世間的には神に捧げられしオレを横取りしたため【神殺しの勇者】の二つ名を持っている。
 
「……っ、うぐぅ、……なの?」
 
 泣きじゃくっていたせいで、弘子が何を言っているのか聞こえにくい。
 オレと弘文が「うん?」と顔を近づけるので、もう一度、同じことを口にしてくれた。
 
「私たち、コウちゃんの、子供じゃないの?」
 
 ひきつけを起こしたように激しく泣く弘子は、泣きすぎて吐いた。
 よくわからないが、服を脱がせてベッドが汚れないように掛布団の上に座らせる。
 掛布団が汚れる分には洗うのも捨てるのも楽だが、ベッドのクッション部分に匂いがつくとベッドを処分しなければいけない。
 
 上半身裸の弘子の背中を撫でる弘文は「どこからそんな話になったんだ」と当たり前の疑問をたずねる。
 どう考えてもオレが産んだオレの子供たちだが、弘子はそれを受け入れられていない。
 立ちあがり、弘子を抱き上げて、赤ちゃんをあやすように揺する弘文。
 弘子はまだ泣いているが、話を聞くのは落ち着かせた後ではないと無理だろう。
 
 安眠を妨害された深弘だが、大泣きしている弘子に驚いているだけで不機嫌さはない。
 ちゃんと姉を心配しているようで、鈴之介と弓鷹を呼び寄せてくれた。
 
 現在、家は増築の最中で鈴之介と弓鷹はそれぞれの個室か、男部屋と名付けた場所で寝起きしている。
 
 深弘が産まれてそれほど経っていないので、何もない場合は女部屋と名付けた場所でオレと弘文と弘子と深弘の四人で寝ている。
 
 音の精霊と契約している深弘は、この部屋の状況を離れた部屋にいる兄たちにそのまま聞かせることができる。
 知名度のないマイナー精霊を引っかけたと思ったが、意外にも活用の範囲が広い精霊だ。
 もちろん、精霊の力を使うのは善行を積まなければならないが深弘に限らず子供たちはみんな精霊の力を日常的に使っている。
 
 二十歳以降に精霊と契約することが一般的な世界で、なんだか規格外な子供たちだ。
 弘文がこの状況をどう思っているのか気になったこともある。
 孤児院との関わりから、弘文は普通の子供がどういったものか理解している。
 精霊と契約して生まれる子供は山に放置されるような普通の子供じゃない。
 弘文は子供たちを気味悪がったり面倒くさがることなく褒めて感心していた。
 
 生まれてくるだけで、人が二十年間生きて積み上げる善行をおこなっているのはすごいと言った。
 
 さすがは神に捧げられるぐらいに貴重な肉の器であるオレだ。
 腹を裂かれて死ぬためだけに生きていく日々を弘文は壊した。
 その責任を取るためにオレと婚姻を結んだのだと神を名乗る相手がやってくるまで勘違いしていた。
 
 オレの不安感を弘子に伝えた覚えはない。
 けれど、無意識に受信して今更になって爆発したのかもしれない。
 弘文が悪魔狩りを頼まれて一カ月間留守にしていて、オレはストレスが溜まっていた。
 深弘のおかげで毎日会話が出来ていたとはいえ、不満は大きかった。
 
 
 落ち着いた弘子に清潔な服を着せて、食事の間に家族全員がそろった。
 深弘は眠いだろうが、しっかり起きている。
 鈴之介と弓鷹が協力して軽食と飲み物を用意してくれた。
 
 弘文は弘子にお茶を飲ませながら、オレを含めた家族の様子を見ていた。
 
 弘文は勇者だが、勇者になりたかったわけじゃない。
 神と謁見できるのが勇者とオレの父親である教祖だけだから、勇者になり神を殺しに行ったのだ。
 
「弘子、お話しできるか?」
 
 弘文にうながされて弘子は村の子供たちから言われたことを思い出しながら語ってくれた。
 山の中で暮らしているオレたちだが、弘文が元山賊の現勇者なので、勝手に近くを切り開いて村を作った人々がいる。
 弘文の近くに居たい人々がオレたちの邪魔にならない程度の位置で集団で暮らしているのだ。
 最近は規模が大きくなり、街として発展しようという気配がある。
 そんな村に社会常識を学ばせるために鈴之介と弓鷹と弘子を日中むかわせている。
 学校と呼べるほどちゃんとした場所ではないが、オレが独学で教えるよりもいい。
 十二歳から王都の学園に通う可能性があるので、他人と触れ合った方がいい。
 
「ヒロくん、私が燃やしちゃったときにコウちゃんと一緒に寝たから治ったって」
「そうだな。清らかなる乙女の抱擁とか、聖処女の奇跡とか、いろんな言われかたをするが」
「コウちゃんと一緒に寝ると傷が治るんだよね」
「邪な気持ちを持つような人間はダメらしいけどな」
 
 それなら弘文はダメなんじゃないかと言いたいところだけれど、弘文は人が持ち合わせる免疫とか防御反応がないのか傷がすぐに治る。オレと肌を密着させる傷が治るということで人の手を握らされたことは何千回とあるが、六割が無意味に終わった。
 
 不埒な思いを抱いてはいけない。そう思っても男女関係なく人々はオレに発情する。
 
「処女って子供を産んだことがない人だって!! 私たち、コウちゃんの子供じゃないの!? コウちゃんが産んだんじゃないの!?」
 
 聖処女の奇跡を有するオレは出産を機に奇跡を使えなくなるのが当たり前だ。
 弘子のやらかしで負傷した弘文をオレの力で治したのはおかしいと思うのは当然だった。
 これは簡単な話で、弘文を治したのはオレの力じゃないからだ。
 
 精霊由来の炎で弘文は火傷を負ったので、精霊由来の水によって弘文は治癒をした。
 
 弘子が自分で癒しの水を作り出して弘文にかけたのだが、本人は覚えていないらしい。
 二人で裸で寝ていたのは、弘文にヤケドの跡がないか確認してそのままイチャイチャしたからだ。
 
 弘子のおかげで傷が治ったと教えないところが弘文の意地悪で正しいところなのだろう。
 弘文はオレの聖処女として持ち合わせる奇跡のおかげで傷が治ったと弘子に教えた。
 その後、弘子は火の精霊の力を暴走させることがなくなったので、自分を使った弘文の体当たり授業は上手くいったのだろう。水の精霊の力によって、傷が癒えることも時間をおいてから教えていた。
 
 弘文は傷つけても大丈夫だと開き直って欲しくはなかったのだろう。
 反省をうながしたいというよりも、燃やしても水をかければ済むと思うようではいつまで経っても火は消えない。
 精霊の力を悪用すると人は魂が穢れる。魂が穢れると悪魔になったり、不幸になる呪いがかけられる。
 子供の癇癪に力を貸すような精霊が悪い気もするが、元々が大人が用いる力だ。
 力に振り回される弘子が悪いわけじゃない。状況が悪かった。
 
 弘文は正しい。
 その正しさは人によって痛いものかもしれない。
 でも、やっぱり弘文は正しいと思う。
 
 十八になったら腹を裂かれて死ぬと運命づけられていたオレは、鈴之介を産んでも死ぬこともなく生きていた。
 けれど、腹を裂かれて死ぬと言われ続けていたので、いつかその日が来るかと思っていた。
 弘文はそんなオレのことを本気で怒っていた。
 それは本気で思っているからだ。
 
 どれだけの労力をかけたとしてもオレの生まれたときからの運命に至らないよう、弘文は自分のすべてを使った。
 弘文はオレに言った。
 
『お前が腹を裂かれて死ぬわけがないだろ。ここに俺がいるのにお前が死ぬかよ』
 
 オレは神よりも弘文を信じているので、弘文が死なないと言うので死なないと思うことにした。
 自分の腹を満たすものが見知らぬ男たちの精ではなく、弘文のモノだけだというのは幸せなことだ。
 
「オレが深弘を出産するところ、弘子に見せていなかったか?」
「……出産に関することは、ヒロくんが全部やってて、俺たちは知らないよ」
 
 弓鷹が「ちょっとお手伝いはするけど」と鈴之介の意見に補足する。
 子供たちはオレと弘文の子であるのは間違いないが、オレの持つ聖処女の肩書きのせいで弘子を混乱させてしまった。
 オレは処女とは呼べない。
 
「弘子は男女の体の仕組みや子供がどうやって生まれるのかを学校で習ったんだな」
「うん……それで、ヒロくんはどんな大怪我したって、コウちゃんがいるから大丈夫なんだって話して、そうしたらおかしいって」
 
 弘文の遠出とはすなわち世界の危機だ。
 勇者としての弘文の活動は子供たちからすると最高の話題だろう。
 弘文が負けてしまうかもしれないなんていう話が誰かの口から出たとしても不思議じゃない。
 それに対して、弘子がオレが居るから弘文は安心だと言うのもまた想像できる話の流れだ。
 
「子供を産んだのなら処女とは呼べない。処女ではないなら奇跡は起こせない。……康介は処女なら子供を産んでいないということになる。弘子の思い至ったことは間違いじゃない」
「や、やっぱり……私たちって」
「普通の女性ならな」
 
 弘子の瞳が潤むが弘文はそんなこと気にせず話す。
 どうやって、弘文が弘子を言い包めるのかオレは見ていることにした。
 
「康介は女性じゃない。見てわかる通りに男だろ?」
「男の人は子供を産めないから……コウちゃんは男であり、女であるって聞きました」
 
 弘子の言葉にうなずいた弘文はオレを指さした。
 
「だから、康介は非処女で処女なんだよ」
「え?」
「子供を産むのに康介が使うのは康介の女性の部分だろ。そこは使用しているから康介は非処女と言える」
「コウちゃんの男の部分は使っていないから処女なんですん?」
「そういうことだな」
 
 弘子に引っ張られて「そうですん」と返してやらないところが弘文のケチな部分だ。
 子供に付き合い切らないのは羞恥心があるからか。
 
「二つの性を持つからこそ、矛盾する事実が康介に伸し掛かっているな。男は子供を産めないが康介は産んでいる。処女は子供を産めないが康介は産んでいる」
「なるほど」
 
 納得している弘子だが、スケベな弘文はオレのおしりを弄りながら「男同士ってこっち使ったりするんだよな」と言い出していたりする。オレが完全なる非処女になる日も近い。
 吐くほど泣いていた弘子だが、オレに近づいてきて「コウちゃんは処女でした」と安心したように笑う。
 これはありなのかと戸惑いつつも弘子を抱きしめる。
 
「康介が聖処女の肩書き通りに奇跡を使えるのは傷を治す以外でもある」
「そうなの、コウちゃん?」
「さあ?」
 
 そもそもが、処女じゃなければ奇跡を使えないと言うのが迷信だったのではないだろうか。
 神を名乗る相手から得た情報からするとオレが思うよりもこの世界は歪んでいる。
 精霊たちが契約もしていない弘文に親切であるのは、この世界を正常なものにしようと動いているからかもしれない。
 
「康介が毎朝祈っているから俺は基本的に怪我をしない」
「聖なる力に阻まれて悪魔の爪は届かないってやつだ!」
「矢とか石とかも当たらない」
「コウちゃんすごいね!!」
 
 感心したようにオレを見る弘子だが、真実は弘文の運動神経と動体視力のたまものでオレは関係ない。
 オレの祈りが弘文に向けられる前から、弘文は大きな怪我をしたり、投げられたものにぶつかったりしていない。
 弘子に燃やされたのは、弘子に精霊の力を制御しようと思わせるためだ。

 オレの祈りが弘文のためになっているはずがない。
 そう思おうとして、ふと首を横に振る。
 
「そうだな。オレのおかげで弘文は永遠に傷つかない」
 
 これは弘文からのオレへの約束だ。
 弘子という見届け人がいることにより破られることのない呪いじみた約束。
 
 オレが祈りを捧げる限り、弘文は傷つかないことを約束してくれたのだ。
 生きて帰ってくることさえ奇跡と呼ばれる戦場で、弘文は約束を守るために無傷で帰ってくるだろう。
 それか、そもそも危険な場所に行かなくなる。喜ばしいことだ。
 
「仮に怪我をしてても、オレに抱き締められて寝れば元気になる」
 
 そのつもりはなかったが、下ネタのようになってしまった。
 子供たちは気づかないのか、ただ笑顔でうなずいてくれた。
 弘文はこっそり笑ったがツッコミを入れてこない。
 弘文が元気になるのは事実なので否定しないのかもしれない。
 
 
 
※本編と同じように二人は子供たちの前であからさまな性的な接触をしません。(抱きしめたり軽いキスはある)
【神殺しの世界】は育児に下鴨と木鳴の家の援助(支援)を受けていないので、ニアミスみたいなことがありますが、大体、勇者や聖処女ってことを言い訳にして誤魔化してます。
2019/04/19
pixiv FANBOX
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